事業再生の現場から

アパート投資の盲点②

昨日の続き…

アパート投資で成功された投資家が書いた本は、殆どのケースで「アパートローン」活用を薦めています。

銀行のアパートローンを活用すれば、手持資金が少なくても大きな投資ができるからです。

小さな力で大きなモノを動かす“梃子(テコ)の原理”を応用する遣り方で、「レバレジット」投資と言われます。

そのこと自体を否定するものではありませんが、巷や著者が仰るように本当にアパート投資は儲かるのでしょうか?

投資の優位性を図る代表的なモノサシは、投資利回りという考え方です。

昨日も書きましたが、5,000万円を投資して年間に得られる収入が経費控除後400万円あれば、投資利回りは年間8%あると見られます。(税金は考慮していません)

投資利回りを高めたいとは、投資家の誰もが考えていると思いますが、投資利回りを高める方法は2つしかありません。

購入価格を下げるか、家賃収入を高めるかです。(取得価格より高額で転売するケースは除きます)

将来性ある物件を安く取得するために「不動産競売」の活用や「銀行筋」への営業を専門にする投資家(業者)も居ます。

取得した物件に再投資(リノベーション)を行ない、家賃引き上げに成功したケースも良く耳にします。

それからアパート投資をするということは、通常土地・建物を自己所有するということになりますが、建物価値は年々老朽化して行くので税法上「減価分を償却(費用計上)すること」が認められます。

上記のケースで仮に投資額5,000万円の内訳で建物部分の買取価格が3,000万円だった場合、3,000万円を法定耐用年数で除した金額を「減価償却費」に計上することができ、その分が必要経費と認められ所得を減ずることができますから、投資家にとっては非常に有利な投資と言えます。

3,000万円を木造建物法定耐用年数20年(建物構造によって違いますが…)で除すと、定額法で年間150万円分が収入から控除されます。

もっとも中古アパート等の場合、こう単純には行かないと思いますが。

こういった税務的な要素も考えに入れながら(専門家のアドバイスを取り入れて)アパートを複数所有、さらに資産拡大・収入増を目指して次々に投資を継続するのが「良」との考え方をする著者(投資家)が大半です。

確かに「ポジティブ」な拡大路線を推奨する方が、「健康的で明るい正しい」考えのような気がしますし、その方が本も良く売れるのでしょう。

でもホントにそんなに良い事ばかりなのか、アマノジャクの私は反論したくなります。

またまた次回に…。

 

 

 

 

 



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