事業再生の現場から

倒産が増えて来た?③

中小企業の資金繰りが厳しくなっている理由のひとつに、今年に入って、人件費や材料費・燃料代などのコストが騰がる一方、そういった原価・経費の上昇分が製品価格に転嫁し難い事が挙げられます。

特に建設業関連では、人件費や資材の値上げや不足が続き、景況感は改善し仕事不足は回復しつつも、肝心の利益がなかなか上げられないという悲鳴に近い声も聞こえて来ます。

建築・土木ともに、東日本大震災の復興関連工事や東京五輪開催に伴う東京湾岸エリアの開発に向け、力強い声を放つ関係者が多いようですが、技術者不足や労働者の高齢化等一朝一夕で問題解決できるレベルでない課題を抱えている事業者も多いようです。

「変化はチャンス」と言いますから、うまく時流に乗れた業者・経営者は莫大な富を手にする事ができるのでしょうけど、旧態然とした対応では、現在業績堅調な会社であっても、いつ足元をすくわれる結果になるとも限りません。

緊張感ある経営の舵取りが必要だと思います。

「盆暮れ勘定」の決済で、年末は買掛金や未払金の支払を求められる機会も多いでしょうし、土木建設業界のように、年末だけは翌月支払(12月分)給与を前倒で年内に支払うといった慣習を守ろうとする業者が未だ多い、そんな業界もあります。

ついては、資金需要が旺盛になる訳です。

人材・資材不足を解決するのに割高な原材料費を計上して自らの利益を削り、銀行の顔色を窺いながら「盆暮れ勘定」の請求に頭を悩ます経営者が、全国にはたくさんいらっしゃるんだと思います。

なかなか出会う機会を作れずとても残念に思いますが、いつかどこかで出会ったら、お役に立てることがあるでしょう。

そんな日が来るのを楽しみにお待ちします!(^^)!

あっ、また今日も倒産情報が流れて来た…。

 

 

 



コメント

  1. やさぐれ隊長 より:

    初めてコメント致します。
    土木・建設業界の技術者及び人手不足はかなり深刻なようですね。
    所謂「団塊の世代」の大量離職でこれまで彼らが担ってきた技術・技能が引き継がれないまま、業務の需要が増大する現状は、構築物の信頼性などに影響するのではないか?と懸念しています。

    年末の資金繰りは本当に頭と胃が痛くなります(泣)

    • 村上 浩 より:

      やさぐれ隊長様

       コメント有り難うございます。
       目先の利益も大切ですが、企業や業界の将来を見据えた対策を取って行かないと、
       懸案・リスクが顕在化した時に行動を起こしても「時すでに遅し」ともなり兼ねません。
       日頃の問題意識とリスクが顕在化しないための「布石」が大切であると思います。
       今後ともご卓見、よろしくお願いいたします。
       

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