事業再生の現場から

年金事務所にて…②

A社のメインB銀行支店長の宿題は次のようなものでした。

1.社会保険料の未払金問題が決着するまで、金融機関はシェア割返済・月額50万円を甘受し、A社の資金繰りを支えてきた

2.未納金元本が完済されたのは喜ばしいが、今後の返済については、我慢して来た金融機関に配慮して、年金事務所への延滞金支払は金融機関弁済に劣後する形にして貰いたい

3.延滞金には利子加算がないのに比べ、金融債務には金利がかかる、有利子負債を圧縮する方がA社の利益に適う

4.仮に年金事務所が早期弁済を求めるなら、金融債務と同列でのシェア割返済に組み込んで貰いたい。金融債務は35,000万円で月額50万円の回収に対して、延滞金600万円余に対して月額20万円の弁済では、バランスがおかしい

B行支店長の仰ることは、ひとつひとつが「マトモ」で、まさに「おっしゃるとおり」なのです。

 

A社長と私は、年金事務所の相談スペースで、他の来所者が1時間に3回転するのを尻目に、ちょうど1時間粘って交渉しました。

結果は、半分の月額10万円まで減額を認める、というものでした。

非常に「塩辛い」対応です。

「アーいえばジョーユー」と、口先言い訳男を揶揄する言葉がありますが、年金事務所の担当者もなかなかの「タフ・ネゴシエーター」です。

人格者のA社長は、担当者の前では「聞き役」に回っていましたが、帰りの車の中で担当者と年金制度、滞納延滞金について怒りが抑えられず、事務所に到着するまで30分、ずーっと持論を展開していました。

「本税も払えないのに、14.6%ってなんだよ!!」

「許認可行政上社会保険は強制加入と言っておきながら、社会保険に加入していない業者でも平気で商売ができる二重行政って、オカシイじゃないか!!」

「若い職人なんか、社会保険に入っていようが居まいが、関係ないんだ。今日・明日の現金が大事なんだから…。将来のことを真剣に考えないでも、最終的に生活保護で国が面倒をみてやる風潮が蔓延してるから、若い人なんか、貯金もしないし保険なんかも入らないよぉ。アリとキリギリスの方が、よほど公平だって。そういうのは自然に任せた方が良いんじゃないかなぁ」

最後は国の福祉政策にも批判の矢面が…。

銀行からの宿題の答えとしては、50点くらいでしょうか。

来週、また結果をメイン行に報告して来ます。

さて、B支店長は、どんな反応を示すのでしょうか…。

 



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