事業再生の現場から

マイナス財産の場合…

お早うございます。

今日は久々に太陽が拝めそうだということで、朝から楽しみにしておりました。

事務所の外からは、燦々とした光が飛び込んで来ます。

太陽位置が低いのは、立冬を過ぎたのですから仕方ないことでしょうか…今日は小春日和の予報です。

 

ネットでは、見ず知らずの他人の養子となり15億円もの遺産を相続した「芸人」が話題になっているそうですが、相続財産には“資産”と呼ばれる「プラスの財産」と、“負債”と呼ばれる「マイナスの財産」とがあります。

先日、こんなことがありました。

仕事の合間に知り合いのA氏を訪れ、情報交換をした時の話です。

小売業を営むA社長は、元職時代の取引先で私と年齢も近いため、ほぼお友達に近い関係を維持しています。もうつきあいは20年近くなります。

A社長のお父上は80歳を超え、現在は有料老人ホームで余生を送っているそうです。

ただA社長が代表を務めるA社は、過去の投資の失敗から多額の借入金を金融機関から借り入れていて、元代表のお父上、それに事業を引き継いだA社長は、共々数億円を超える保証債務を背負っている状況です。

お父上が弱って行く中、迫る相続に頭を悩ませているA社長。

A社長は、「マイナスの資産」の取り扱いに悩んでいる様子なのです。

「税理士はさぁ、オヤジが亡くなったら相続放棄すりゃ良いって言うけど、俺達が相続放棄したらさぁ、オヤジの兄弟姉妹に(相続権が)行っちゃうじゃない? 兄弟の数が多くて大変だし、説明をどうするか…どうしようかって考えてるんだけどさぁ…」とA社長。

「そんなの簡単じゃない、オヤジさんが万一の時は(A)社長が全財産を相続すれば良いんですよ。そうすれば、社長が万万が一の時は、奥さんと子供さんにきちんと言い含めて置いてあげれば、自分の家族だけの手続きで済んじゃいますよ。社長の兄弟って弟さん1人だけでしたもんね?」

「俺だけが相続するってできんの?」

「遺産分割協議でそうするんですよ、どっちみち(失礼ですけど)社長は連帯保証を引き受けちゃったから、マイナスの資産で債務超過な訳です。そこに同じ負債の保証を相続で引受ちゃったって、何の痛みもないでしょ。ところが、連帯保証人と関係ない人達が自然相続したら、これはエライことになってしまいます。それはお分かりですよね(笑)」

と言う訳で、A社長の喫緊の悩みは解消できましたが、A社自体の経営立て直しは、これからが正念場。

件の税理士先生のアドバイスで努力しているというけれど…。

 



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