事業再生の現場から

ゆでガエル現象

弊社は、主に「金融・財務」面からの切り口を武器に仕事を続けているので、その方面での問題解決の補助役としてお客様に雇われるケースが多いと言えます。

先週末は、懇意にしていただいている某税理士事務所のセンセイに請われ、センセイが顧問をなさっている事業者の資金援助先としての適性を調査するため、遠出をして来ました。

この手の話ですと、なかなか具体例としては紹介し難いので大雑把な言い方しかできないのですが、センセイの顧問会社は、調査する相手方(仮にA社としますが)に資金援助をすることによって、将来的な協業や業務上の提携を経て自社の成長に取り込めないか、その可能性を諮っていると考えてください。

税務的な見方というより財務面からの調査、そして業績の先行き見通しについてA社長の見解と可能性を検討するため「知見」を求められると言う、名誉ある(笑)仕事です。

 

場所が都内からも「相当」遠い場所で、異動時間に閉口しながらも指定された場所に赴き、税理士事務所の職員2名と税理士センセイ・顧問先社長と私という5人の大人数で、A社長と管理業務担当役員さんに対峙します。

現在の業績、業界環境、今後の売上・利益見通しについてA社長の考えをお聞きしました。

投資するかどうかは、同席した顧問先社長さんの判断ですが、A社の事業環境は相当苦しそうです。(社外に資金支援の手を差し伸べて貰うよう要請するくらいだから当然と言えばそうなのですが…)

約3時間の面談を終え、帰りの電車の中でセンセイがぽつり…

「ゆでガエルになっているのに気づいていない…、社長の援助があっても、今の経営が続くようなら、このままでは資金繰りが成り立たなくなっちゃうなぁ」

A社長は先代(父親)社長が病に倒れ、6年前に急遽経営を引き継いだのだそうです。

まだ30代のA社長、今までの苦労と心中は、私達の想像を超えるモノがありそうです。

早く「気づいて」修正して行かないと…

そんな話をしながら、帰路に着いた週末でした。



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