事業再生の現場から

事業存続に必要なもの…平時のリスク管理

昨日の続き…

昨日結論を書ききれなかったので、その続きを

直近で私達の耳目に、否が応でも入って来る重大報道がふたつ。碓氷峠で起きたスキーツアーバスの転落事故と「廃棄物」処理を請け負った会社による廃棄物(商品)の横流し事件。

いずれも「目先の利益に拘(こだ)わった」結果、企業の存続そのものをも危うくさせる事態を招いていると、昨日書きました。

安全管理・安全運行という最低義務を怠ったバス運行会社(格安料金を押し込んだツアー会社もか?)と、完全に悪意を感じる「横流し」を横行させていた廃棄物処理会社は、監督官庁への対応、被害者への補償問題、それに既存顧客への対応等々、これからも厳しい向かい風に曝される事でしょう。

たぶん企業体としての継続は、難しくなるのではないでしょうか。

両社が社会に対して行ってしまった「背信行為」のツケは、とても一企業や経営者が謝罪して済まされるほど軽いモノではないと思います。

 

ここで私がコンサルタントとして考えなければならないのは、企業の行った不正・不祥事・事故が、その企業そのものの命さえ奪いかねないという実例に対して、今後私達経営者がどう対応して行くべきかということです。

事業で多くの人命を預かる立場でも、或いは食材や食料品を取り扱う仕事はしていないにしても、弊社レベルの零細事業者でさえ、営業車は全員合わせれば毎日100㎞を超える距離を移動しているのです。

弊社が社会から非難される行為の末、或いは無作為であったため、重大事故を引き起こして、その結果甚大な被害を社会に与えたとしたら…。

おそらく会社は存続できず、廃業に追い込まれることになるでしょう。

それは経営者なら、誰でも考えなければならないことなのです。

従業員の生活を預かり、関係先への製品供給やサービス提供等を通して社会に必要とされている事業者(経営者)なら、本来誰もが普段から考えなければならない経営課題でもあると思います。

大手企業はBCP(事業継続計画)なるものを策定しています。自然災害やテロなど偶発的に発生するリスクに事前に備えておくのです。

雪が降ってから「おっとり刀」でチェーンを買いに行ったり、雪かき対策にスコップを買いに走るようでは経営者失格の烙印を押されかねません。

 



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