事業再生の現場から

地銀は生き残れるか⑥

お早うございます。

宇都宮は夜半から雪が降ったようです。

通勤途中の道路は降った雪が解けた後凍結したようで、特に日陰部分には注意して走る車が続き、ノロノロ状態が延々続いてました。(宇都宮)環状線も至る所でノロノロ運転が続いてますので、これから取引先に向かうのですが、少し早めに出ようと思います。

 

一昨日辺りの新聞でチラ見したのですが、金融庁が国内銀行に対して「中小企業に対する銀行の融資姿勢を改め、長期運転資金を短期運転資金に切り替えるよう指導する方針を新たにした」という記事を目にしました。

長期資金には債権者側から見ると、保全=担保要件が欠かせません。

「3か月後に売上金が回収できたら返します」という申込人の説明に従って融資する期間3か月の運転資金と、「将来的な売上・利益でもって返済しますが、何せ今手許におカネが不足しているので、何とか融資をお願いします」という説明に沿う形で融資する期間3~5年の運転資金とでは、回収可能性に対する見方が全く違うのです。

そもそも市中銀行は、短期で運転資金を企業に融資して来ました。

民間銀行は「融資の5原則」の中でも謳っているように「流動性の原則」を大切にします。

短期(最長3年)で資金を調達(預金)する民間銀行が、5年を超えるような事業会社の旺盛な資金需要に応じることは、稀でした。

そういう長期資金は、日本興業銀行など長期資金を金融債(ワリコーなど)で調達できる長信銀や政策金融公庫などの公共性の高い金融機関が行い、民間金融機関は資金調達方法に適った運用(融資)を行う「棲み分け」ができていたのです。

ところが時代が進んで金融業界も、水平・垂直統合が進行する等「群雄割拠」の時代を迎える事になりました。政策金融の雄・日本興業銀行は、のちにみずほ銀行へ統合されました。日本長期信用銀行は経営破綻し、外資の手に再建を委ねられた結果、新生銀行へ衣替えし現在に至っています。あおぞら銀行も元は、三長銀の一角、日本債権信用銀行でした。

長期信用銀行系が全て、民間銀行へ経営形態を改める結果となったのです。

大企業・中小企業の区別なく事業会社の資金需要において「長期借入金」は大事な役割どころです。設備投資など回収に長期間を要する資金だけでなく、「安定した資金繰り」を維持するためには、より長い返済期間を約束して貰える「長期借入金」は事業会社にとって色々と便利で都合が良いのです。

よって「運転資金=短期借入」の時代から、「担保をとって長期貸出へ、資金使途が設備投資資金じゃなくても良いんじゃない」との流れになって行ったのだと思います。

 

 

 

 



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