事業再生の現場から

金利引き下げの妙手は…

週明けは生憎の雨となりました。

先週半ばから関東地方は冬に逆戻りの天気が続いています。

私の足元では電気ストーブ君が大活躍です(笑)、明日からは寒さも和らぎ春らしい陽気になると言うのですが、まだまだ寒がぶり返すこともあるでしょう、当面電気ストーブ君を片付けることはできないと思われます。

 

さて午前中、取引先の社長さんとミーティングをして来ました。

確定申告で個人の不動産申告所得が激増したそうで、税金支払いが大変だという話がでました。

この社長さん、個人で一棟建てマンションを2棟所有しています。

元々は、先代が所有する土地に「相続対策」で借金をして賃貸用マンションを建築していたのですが、昨年事情があって、建築当時にお世話になった銀行さん(ローン付してくれた銀行)から、新たな銀行さんにローン取引を変更した経緯があります。

既存の銀行から借り入れたアパートローンは、経営会社の資金繰りの絡みで「条件変更」つまりリスケ支援を受けていました。アパートローン自体は入居者からの家賃で悠々返済できていたのですが、経営会社の資金繰りがひっ迫している中取引銀行からリスケ支援を受けていたので、個人ローンもリスケをお願いして、会社・個人の収入を一体管理して総体の資金繰りを賄っていたのです。

そんな中、元気の良い支店長さんが赴任した某行が、この会社と社長に日参、社長と私を説得して会社の取引と個人ローン取引を「根こそぎ」肩代わりしてくれる運びとなりました。私も元は銀行員ですから、この支店長が社長に呈示した条件(特に根こそぎ肩代わりを実行すること)を初めて聞いた時びっくりしました。(口ではやるやる言っても最終的には尻尾を巻いて撤退じゃないの?、ホントはそう思ってました)

それでも某行は、会社で1.5億円、個人で4億円の融資肩代わりを実行しました。

大した度胸だと思いました、当時は…。

 

社長が今月申告した不動産所得のうち、経費算入できる借入金利は約700万円でした。

一方昨年までの借入金利は、約1,300万円。つまり肩代わり実施により、社長個人の金利負担は年間600万円も軽減しました。この600万円の所得増によって、この社長さんは100数十万円の税金負担が増えるそうです。

税金増を嘆く社長でしたが、適用金利引き下げで得たメリットです。(周りがお膳立てしてくれた利益ですから、多少は税金も払ってくれないと(笑))

肩代わりを実行してくれた銀行は、貸出金利収入0の状態から、個人ローン金利だけで年間700万円の収入を得る事になりました。社長とこの銀行にとっては「ウィン・ウィン」の取引です。

ですが、取引先を失った元取引行としては堪りません。

元取引行としても、虎視眈々と機会を覗っていました。

 

続きは次回に…

 



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