事業再生の現場から

技術の出雲産業…江曽島HDの経営破綻

大型倒産の報が入って来た。

航空機部品加工業界で「技術の出雲産業」として知られていた江曽島HD㈱(旧社名:出雲産業㈱)が、3月23日に宇都宮地裁から破産手続きの開始決定を受けていたそうだ。因みに負債総額は、約12億円。県内中小企業の経営破綻としては、まずまず大型倒産と言っても良いと思う。

旧出雲産業は、宇都宮市に拠点を置く富士重工業の航空宇宙カンパニー(事業部)からの受注を受け、様々な航空宇宙分野での部品供給を行っていた、「技術力」のある企業というイメージがあった。

 

航空機等の部品加工には自動車以上に加工精度を求められると言い、莫大な設備投資が必要なことから、「将来性ある事業分野」であることは皆承知していても、なかなか後発組が進出し難い業界だと聞いたことがある。

件の出雲産業も設備投資負担から金融債務が膨れ、主力銀行からの支援が得られなくなり、風の噂では債権買取専門会社である「サービサー」に金融債務が売却されていた、と耳にしていたのだが…。

 

ただ、たぶんサービサーに債権譲渡された後のことなのだろうが、TDBニュース(3/31号 速報)によると、「2015年7月には、再生スキームの一環から会社を分割、主力の航空機部品部門を分割した別会社に移管…」と書いてあることから、生産設備を持つ「グッド(Good)会社」は、生き残っているのかも知れない。

今回破産手続きを申請したのは、負債だけを背負った「バッド(Bad)会社」??

いずれにしても地域の「雇用」が守られる再生劇の一コマであるなら、歓迎すべきことなのだのだけど。

 



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