事業再生の現場から

東昭建設の破綻⑥

先日県北の某土建屋さんを訪問した際に、新装なった矢板市・㈱東昭建設からの「挨拶状」なるものを見せていただく機会がありました。(コピーをいただいて来たので、今はそれを横目にこのブログを書いてます)

挨拶状によると、「…広島建設株式会社傘下の新設子会社に全従業員及び施工中の全現場などを事業譲渡し、株式会社東昭建設として生まれ変わりました」と書かれています。

突っ込みどころはあるとしても、此処までは良いとして。

 

問題は次のくだりにあります。

挨拶文からの引用を続けます。

 

「7月6日には、栃木県から格付け決定通知を受領し公共工事の入札にも参加できる状態に復帰すると共に…」

んっ? 格付け決定通知? 公共工事への入札参加?

 

わざわざ日付までを明示しています。と言うことは本当のことなのでしょう。

事業譲渡とわざわざ当事者が言い切っているのですから、私達もその昔何度か活用させていただいた「譲渡時経審の特例」でも活用して県の格付を確保したのでしょうか?

でも「譲渡時経審の特例」も「合併時経審の特例」措置なども、同業者間から「不公平感が強い」と懸念の声が相次ぎ、行政としても不公平感の是正問題から、数年前からは適用するのも相当慎重になっていると聞いています。

というか今では殆ど「死語」に近い扱いだと思って間違いない筈です。

そのため土木建設業で、いちど再生のため大手術をしたら、建設業経営審査対象になるまでは「自治体の格付け」も貰えないし、当然公共事業の参加資格である「指名」にも手が届かなくなる、と言うのが通り相場でした。

 

挨拶文に書かれていることが事実だとしたら、どんな手法で東昭建設は「栃木県から格付け決定通知を受領」したのか、とても気になります。

その気になれば、同じ手法で過剰債務に苦しむ地場ゼネコンが助かるかも知れないのですから。

かと言って県土整備部に行って確認する気も起きないし、教えてもくれないでしょうね。

益々疑問が膨らむ東昭建設の再生劇とでもしておきますか…

 

 



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