事業再生の現場から

リスケの出口・メイン行による肩代わりの実行②

前回の続き…

 

リスケの出口を描く…これは私の仕事です。

現在リスケ支援を受けているメイン行・準メイン行を始め、色々な伝手やたまたま営業に来た金融機関を相手に、当社の現況と今までの経緯、将来収益見込み等々を包み隠さず説明します。

その中で某メガ行が、既存行の貸出金を全面的に肩代りする事によりリスケ取引を終了させ、融資取引を正常化することで当社の格付を「正常先」に引き上げたい、とする私の考えに賛同してくれるようになりました。

「是非、当行で検討させてください!」と!(^^)!

メガバンクと言えども、国内中小企業向けの貸出取引は収益性が高く、本件の保全条件を考えると、「喉から手が出るほど」獲得したい案件な筈なのです。

 

取引外メガバンクの対応を、メイン行・サブメイン行、他の取引行に伝えます。

この手の情報は、必ず平等且つ正確に伝えます。

当初は半信半疑だったのでしょう、メイン&準メイン行とも「そうなれば良いですね」くらいの対応でしたが、当社がメガで、実際に足掛かりとなる借入取引を始めたと知ったメイン行は、態度を豹変し、冒頭取引へと突き進む結果となったのです。

メイン行としてみれば、リスケ債権であるとは言え、この会社から得る月間利息収入は、100万円にもなろうかと言う「大口取引先」です。

みすみす他所から飛んできた「トンビ」に、美味しいところ(油揚げか(笑))を盗られるのを傍観している訳には行かなかったのでしょう。

結果としては、メイン行が自行で貸付している融資金と準メイン行以下で貸付している融資金を合算して、当社の借入金を「正常な運転資金」と「利益償還すべき長期借入金」の二本立てにして、借換対応(他行分は肩代り)してくれる事になったのです。

併せて「正常先」として金利も検討して貰い、この取引によって当社は年間350万円余の支払金利を削減する事ができるようになりました。

 

社長は「一行取引になると、いざと言う時困るんじゃ…」と不安を口にしますが(実は融資金を完済される側の銀行担当から必ずと言って良いほど最後に聞かされるセリフなのです、今回もやはり複数行の支店幹部から同様の発言がありました)、「業績が良ければ、銀行は当社に取引を求めて日参しますから、そんな心配は無用です。それより売上増加や原価対策の方をしっかりやりましょう!」と、私は発破を掛けます。

現に、前述メガバンクの他に、別の地銀から驚くような条件で「新規融資」の提案が来ています。

やはり「業績」なのです。

 

 

 

 



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