事業再生の現場から

人手不足の解消策… 中小企業経営者の思い

人手不足を理由に廃業を決断したり、人件費高騰が原因で収益が圧迫され倒産に至った、いわゆる「人手不足倒産」が増えているようだ。

従来から、飲食店や運送・運輸業、土木建設業などの業界から「悲鳴」があがっている事は認識していたが、これらの業界だけが「慢性的な人手不足」に陥っているだけでないらしい。

今や、多くの業界で「人手不足」が深刻になりつつあり、業種を問わず、中小企業では「正社員」を募集しても応募さえ無く、定員不足が埋まらないケースも稀では無いと聞く。

AI(人工知能)活用により、今後大幅なリストラの風が吹くことになるだろう金融業界は、その例外なのだろうけど、金融緩和による円安の恩恵(輸出企業の投資意欲復活)やオリンピック誘致、騒がれているリニア新線開発等々の着工により、国内産業界は5~6年前に比べると、業績を大きく改善させている。

 

企業収益がジャンプアップした一方、働き手の減少と(一時的な)需要増で、人手不足と人件費増は中小企業の経営者を一番悩ませる問題となって来ている。

景気後退期には、人件費削減のため退職者補充を見送り、何とか資金繰りをやり繰りして来たのだ。

それがいつの間にか、技術を継承したり現場を管理したりする人材、企業の根幹を成す社員が「枯欠」している現実に気づく経営者があまりに多い、と嘆く社長さんがいる。

「このままだと5年後には、会社を引っ張って来た幹部が定年時期を迎える。長く不況が続いたので新規採用は15年近く見送って来た。振り返ると、私の下(部下)には20歳も離れた社員が一番の古手でその層に数人、その下は入社2~3年の若手が3人…。いやぁ、焦りますよ…」

業績動向に合わせて採用を行ってきたツケと、この社長さんは自嘲するが、これは全国どこでも同じようなことが起こっている現象でしょう。

いびつな人事構成を今更自分の力で是正することはできないけど…

 

社長さんはM&Aによる事業と人材獲得を目指しているようです。

「本業と親和性の高い業種が良いけど、ホンネを言えば事業より「人材」が欲しいんだ。人がいれば、事業は何とかなるもんだよ」社長は仰ります。

なるほど!(^^)!

 

 

 



コメント

※コメントは承認制となっております。承認されるまで表示されませんのでご了承ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です