事業再生の現場から

「池の水を全部抜く」のアイディア

任天堂が今年3月期の決算速報を公表した。

ニンテンドースイッチの爆発的なヒットにより、売上高は前年の2倍で1兆円を超え、営業利益に至っては前年の6倍となる1,700億円余を計上したそうだ。

手持ち流動資金を数百億円単位で保有しながら、円高とヒット作品不在で業績低迷が続いていた任天堂ですが、ポケモンGO以降、ニンテンドースイッチの登場により、V字回復を果たした格好です。

新規商品開発に時間と巨額の開発費用を投入できる(資金の潤沢な)大手企業ならではの復活劇とも思えるニュースですが、遊び心を忘れない「玩具メーカー」任天堂としてのDNAが成せる技なのだと、私なりに感じています。

 

大企業や業界大手でなくても、アイディア次第で、小さい企業が大手に対抗できるサービスや商材・市場シェアを保有することも少なくありません。

こういう話をすると、弱者が強者に如何に立ち向かって行くか、ランチェスター理論みたいな話になってしまいますが、ある特定分野で「小」が「大」を凌駕する、そういう方法や手段を知るのは、中小企業経営者にとって必要な事だと思います。

できれば自社においても、それができるかどうか、他社の成功事例が当て嵌まるのか否かも含めて。

 

話が横に逸れてしまいましたが…

私が最近気になっているのは、TV東京で放映している表題「池の水を全部抜く」という番組です。

人気お笑い芸人のふたりがMCなのですが、番組内容は至ってシンプル。

池の水を抜いたら、水の中にどんな生物が生息しているのか、或いはどんなモノが沈められているのかを調べること。

水生生物の専門家(大学や専門機関の先生)が指導者となり、専門の排水業者を使って数時間~数日を掛けて、大小様々な池(有名な寺社の池や地域住民の憩いの池など)を干し上げます。

そこでは日本固有種の魚介類やカメなどが、勢力範囲を拡大する外来種に混じって「細々と」命を繋いでいる実態が明らかにされます。

基本的に捕獲された「固有種」がこの後も平穏無事に生きて行けるよう、外敵となる「外来種」を除くのも目的になっているようです。

私、この番組で「鯉」が「外来種(中国原産)」だということを初めて知りました。

日本古来からの在来種で絶滅寸前と言われる「イシガメ」が、善光寺の池に5匹生きていたという放送が前回収録分だったのですが、私も自分のことのように嬉しかったのを覚えています。

 

とにかく、番組としては「池を干し上げて」「何が潜んでいるのかを調査」するだけなのですが、地域住民の盛り上がりもあって、視聴率が好調のようです。

来月からは放送が月1回のレギュラー番組となるようです。

日テレ・TBS・フジTV等々に比べて経営規模の小さいテレ東ですが、アイディア次第ではガリバーとも戦える、そんな好事例として、私はこの番組を捉えています。

次回は何処の池を抜くんだろうか…!?

 



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