事業再生の現場から

都内某所にて②

とにかく資金繰り決済日までにニューマネーを呼び込む方法を知りたい相談相手の専務さん(後継者含みで外部から招聘)でしたが、叩き上げの社長さんは少し様子が違います。

九州や北海道を基盤とする同業他社の古くからのオーナー筋に掛け合って1,000万円単位の資金を自社に調達する事で、今後見込まれる東京五輪関係のイベントや、新規設備投資が本格化する時に発生するであろう“特需”までのつなぎ期間を何とか乗り切り、自分が手塩にかけて来た会社を今一度花咲かせようと、そんなお考えでいるようです。

さすがに「中興の祖」ですね。

周辺が幾ら“従業員や事業を守るため”と言っても、簡単に“身売り”話に乗っては来ません。

外部から後継社長含みで入社された専務さんは、事業そのものに魅力を感じているからこそ「転職」して同社の門を叩いたのでしょうし、社長さんにとって半生を掛けて慈しんできた事業会社は家族か、或いは他社で働く息子さん以上の存在なのかも知れませんし、お互いの考えに温度差があって方向性を決めるにもまだ時間が掛りそうです。

「再生ファンドや他人資本に身を任せ“再生を目指す”のもひとつの手ではありますが、当社はまだ“やるべき事をやっていない”んじゃないでしょうか? リスケに応じた金融機関が新規与信に応じないのは当たり前としても、政府系金融機関やご友人方が資金提供に二の足を踏んでいるのは“先が見えない”からじゃないですか? つまり具体的な効果や見通しが無くただおカネが足りないだけでは、誰も危なくっておカネを用立てようとはしませんよ」と私。

「市場動向や需要見込み、当社の長所と短所、長所を具体的にどういう風に伸ばすのか、短所を具体的にどういう風に削っていくのか、だれが何時までにどうやってやるのか…、おカネを出そうとする人は、そういう問い掛けに即答できるレベルの相手じゃないと真面目に考えてくれないものです」

「社長さん達が今目前の課題に対して一生懸命取り組んでいることには頭が下がりますが、ひとつひとつの行為が正しくても、全体像を見た時に“適時”になっているかどうか、それを意識することがとても大事なんだと思いますよ。いわゆる“司令塔”がしっかりしてないと、全体の調和が取れないですしね」

帰りの新幹線の時間を気にしつつ、K先生以上の熱弁を奮ってしまいましたm(_ _)m

田舎もんのくせに生意気な…って思われちゃったかも。

取り敢えず費用も掛ること由、社内で揉んで頂いての回答待ちです。

さてさて、これからどんな展開になるのでしょうか?

場合によっては、弊社が(一部ですけど)投資しても良い案件になるかもネ…。



コメント

  1. 山田の案山子 より:

    う~~ん社長の気持ち分りますが

    もう少し事前の策は打って来なかったのかそこが不思議です

    でもリンクスさんの門を叩いたのですから

    何とか上手く行くのでしょう

    後は早めに決断する事ですね

    タイムイズマネーでしょうか・・・

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