事業再生の現場から

アパレル関連業者の悩み

近頃、婦人服や紳士服、子供服や下着類等を取り扱う「アパレル関連」業界からの相談が増えているような気がします。

と思ったら、6月5日付「帝国タイムズ」(帝国データバンク発行)の一面は、「アパレル関連業者の倒産動向調査」結果についての記事でした。

アパレルくんの苦戦する要因は、「円安」と「消費低迷」だそうです。

政府の「円安誘導政策」により活況を呈する輸出企業に比べて、海外の生産拠点で製造した商品を日本国内に輸入して販売する多くのアパレル企業は、円安進行に伴う仕入単価の上昇で苦しむ事業者が多いようです。

また昨春消費税率の引き上げにより「不要不急」性の高い服飾関連に対する出費は低迷が続いているそうで、販売単価の引き上げなど、極々一部のメーカーを除いてはなかなか難しいのだそうです。

よって仕入価格の上昇と販売不振が続き、「廃業」や「倒産」に追い込まれる企業が続出しているようで、2015年の年明け以降、負債総額50億円超の大型倒産を始めとする「アパレル関連」業者の倒産劇が続いているとのこと。

しかもその動きは現在も続いているようで、今後も倒産事例が続くだろうと見通しています。

海外で稼ぐ「ユニクロ」などは、円安をモノともしない勢いで業績を伸ばしていますが、国内専業業者は「打つ手なし」の状況で八方ふさがりと言えるかも知れません。

農業や先端技術云々するベンチャー企業と違って、「糸偏(いとへん)」業種・特に販売部門には、これと言った政策支援もありません。

「利は元にあり」ですから、本来「仕入の工夫」で何とか利益を稼ぎ出したい処ですが、これだけ急に円安が進んでしまうと…。

アパレル関連業者の悩みは深いのです…。

 



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