事業再生の現場から

1.2兆円の成長産業・防犯市場

“必要は成功の母”と言いますが…

これも時代の「あだ花」と考えれば、考えられなくも…

 

新聞によると、日本の防犯市場は1.2兆円規模だそうですが、国民の防犯意識の高まりを受けて、この防犯市場が今後益々成長して行くことを予想しているようです。

認知症を患う患者数の増加を受け、靴などにGPS端末を埋め込み、万が一不在となった場合に備えたりするとか、商店街や駅前などの人混みに「防犯目的」で識別能力の高い防犯カメラを設置したり、あらゆる局面で「防犯意識」の高まっている国民感情がその背景にあると言います。

確かに仕事や学業の関係で、子弟を独り暮らしにしている家庭は多いと思うのですが、男の子ならボロアパートに住まわせておけばいいやと思っても、可愛い娘や妹に一人暮らしをさせるのなら、せめて(防犯上)セキュリティが行き届いた賃貸マンションに住まわしてあげたいと思うのが「親(兄)心」だと思います。

結果、防犯機能がバッチリ着いた「高付加価値マンション」から契約がまとまって行く、との現象が全国的に起きていると言います。

 

世情を賑わせているような凶悪な犯罪から身を守らなければならない、という意識の高まりが、このような防犯グッズというか、関連商品やサービスの需要に結びついているのは間違いないことでしょう。

時代の変遷・社会環境や国民意識の変化が「防犯市場」を成長の見込める有望産業に押し上げているのだと思いますが、果たしてこれが良いことなのかどうか…

精緻な位置情報をもたらす軽量・コンパクトなGPS端末や、人混みでも夜間でも人相をハッキリ映し出す高感度・高解析画像を可能にするビデオカメラなど、世界市場を相手に培って来たニッポンの技術が「防犯グッズ」に活かされていることを喜びつつも、何か複雑な気持ちにさせてくれるニュースでした。

 

 

 



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