事業再生の現場から

トランプ次期大統領の恫喝…

ブログネタを捜してネット記事を眺めていたら、米次期大統領の就任を控えたトランプ氏が、トヨタに対して、同社が計画中のメキシコへの投資計画に対して「警告」しているという記事を見つけました。

日本の自動車メーカー大手は、北米(特にアメリカ)向け自動車工場を労働者賃金の安価なメキシコに作るケースが多いようです。

私がまだ銀行員だった頃、取引先の自動車製造ライン工場の社長が「日産の仕事でメキシコに行く、メキシコに二つ目(生産ライン)を造る案件なんだ。それが終わったら、来年はホンダの案件がメキシコで続くようだ」と言っていた事を今でも覚えていますが、もう12~3年も前の話です。

国内での製造に拘って来たトヨタの海外進出は、グローバル化を先行して進めた日産やホンダに比べると、やや出遅れ気味なのかも知れませんね。(トヨタは経団連会長を輩出するなど、国内雇用問題への協力を始め、日本政府の政策に従順な企業なので、敢えて海外進出を抑制しているんですよね、立派な会社だと思います)

 

人件費の高い米本国から、自由貿易協定を結び関税の掛らない労働力の安価なメキシコへの生産拠点の移行が、今回の米大統領選挙結果の大きな要因だったと言う見方が多いと思います。

メーカーの生産拠点が労働力の安い海外に移転した結果、職を失った白人ブルーワーカーが、「仕事を国内に取り戻せ!」と訴えたトランプ氏に共感したのが、大統領選勝利の原動力になったという見方です。

 

ともあれ、警告(脅し?)を受けたトヨタとしては堪ったものではないでしょう。

そういえば、米フォード社も、メキシコへの工場移転計画を白紙撤回して、米国内の工場に設備投資する事にしたそうです。

トヨタは「このままメキシコに投資をするならメキシコから米国へ入って来る製品に課税する」と警告するトランプ氏にどう対応するのでしょう。

エライ迷惑な話ですよね。

一民間企業の投資に、超大国アメリカの次期大統領が言及、それも具体的な制裁措置までしゃべっちゃうんですから…

 

年初から堅調で、20,000円目前の日経平均株価も(もちろんNYダウも一緒ですが)これから4年間、このトランプ氏の動向を注視しなければならないようです。

日経平均堅調理由の一翼を担っているドル高(円安)も、昨日辺りから少しドル安(円高)に振れているようです。

先の事は誰にも分かりませんけど…



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