事業再生の現場から

まずは資金繰りから…

地道にブログを書いていると、極々珠にですが良い事もあります。

先日、弊社のこのサイトへ「資金繰りがどうしても上手く行きそうもないのです…、相談に乗っていただけませんか?」との連絡がありました。

早速、相談者と連絡を取り、現状について聞き取りを行いました。

すると耳を疑うような話が…

 

相談者は県外で事業を行う経営者(代表取締役)ですが、会社は設立8年目で年商が4億円余もあって、結構ボリュームのある企業さんです。

当然ですが、この社長(相談者)さんが創業者で、自分の経験と商流を頼りに脱サラして起業、数年前まで事業は順調に成長し売上・利益、社員数などは、ほぼ毎年倍々ゲームのような経過を辿って来たと言います。

会社の成長に沿うように、当初は日本政策金融公庫一般だった借入窓口も、信用金庫から第二地銀、地銀からメガバンクと、どんどんその数を増やして行ったようです。

特に順調だった事業の成長が停滞した後は、赤字の埋め合わせと言うか、各行の融資攻勢と決算書のズレ(銀行は直前期決算の評価で企業に対する与信態度を決めますが、現在の企業実態と1.5年くらいのズレが発生する事は日常茶飯事です)が相俟って、1年間で2億円を超える借入を実施したとの事…。

現在もその返済のために「借換資金」融資対応を各行にお願いしているようなのですが、その最中に事件(相談者曰く)が発生したようなのです。

 

取引行中第3位の融資残高を持つ、同地の第二地銀が「当初5,000万円融資した分の残高が3,000万円を切ったので、もう一回5,000万円まで残高を戻します。ついては、自己資金で一旦3,000万円を一括返済してください。その後間髪入れずに5,000万円を融資しますから…」と相談者に提案して来たのだそうです。

今までこの銀行をはじめとして「真摯な対応」をして貰っていた金融機関の提案であるためか、相談者は言われるがまま、既存借入金の「繰り上げ返済」に応じたそうですが、返済が終わった途端にこの銀行の対応が激変、社長に寄れば「借換資金要請に全く耳をかそうともせず」、「新規の貸出には応じられない」の一点張りになったと説明してくださいます。

そんな事ってあります?

もしかして…

 

詳しく話を深堀りして行くと、どうやらこの会社、銀行借入を円滑に進めるために、決算書の一部を「お化粧」していたようなのです。

私が想像するに、第三位行は「粉飾決算」を疑って(或いは確信して…)、以後の融資取引を遮断した経緯なのでしょう。

でも、そうだとしても、相談者の仰るように「だまし討ち」とも取れる提案が本当だとすれば、これは問題だと思います。

「融資予約」とも取られ兼ねない発言で、取引先の資金繰りに万万が一の事があったら、銀行としてもエライ問題になってしまいます。

と言う訳で、この話は全文、何処の誰か分からないようにするしかありません。

これが(相談者の仰る事が)全部本当だとしたら、ホント大変な問題なのですが…

 

それでも、まずは「資金繰り」対策から始めないと…

 



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