事業再生の現場から

リスクを取らない経営には未来が無い!!老社長の金言

お早うございます。

今週は宇都宮の事務所からスタートですが、通勤途中、数日振りに太陽の光を浴びました!

梅雨も一休みなのか、昨日から北東の風が強く吹き(これは…三陸地方で有名な、あのヤマセなのでは?)、気温が一気に下がって過ごし易かったのですが、今朝は雲の合間から太陽の光がちらほらと…。

やっぱり「お日様」は有難いですね、なんかこう、一週間のスタートがお天気だと明るい気持ちになりますもんね♪

 

さて、先週の事ですが、某取引先の社長さんと「事業再編」に向けた出資を仰ぐべく、某社(A社としておきます)の主要取引先であるB社を訪問し、B社長を始めとする役員、関連部署の長・担当者を前に、A社の持つ技術と取引先(商流)の強みと課題、B社傘下に収まった時の協業効果等々を説明する機会がありました。

A社の技術力や取引先の優位性など、何も私が説明するまでも無く、B社の社長さんを始めとする幹部の皆さんは「先刻承知」の事ではありますが、A社への「出資」=「子会社化」=「自グループ入り」で、どんなメリット・デメリット、そしてリスクがあるのか、もう一度検討してみたいという趣旨だったようです。

A社への出資とは、いわゆる「M&A」の一つの形態です。

 

B社事業担当からは、A社の持つ〇〇関連商品の技術と取引先を××関連技術を主力商品とするB社が取り扱えるようになると、ワンストップ窓口にて親和性のある両商品をそれぞれの取引先に提案できるので、大きな「相乗効果」が期待できると説明がありました。

B社長も両社取扱商品の「親和性」と協業時の「相乗効果」には、確信に近い感触を予てから感じているようで、A社長の身の立つような配慮を考えながら、この数か月AB両社で協議を進めて来たとA社長は言います。

ところが、これに懐疑的な見方をする人たちもいます。

B社の管理部門、財務経理を担当する役員と部長さん達です。

A社に対する出資が実現すると、おカネが「子会社株式」等の勘定科目で固定化すると同時に、A社の財務内容がB社の財務評価に影響を及ぼす事になるからです。

B社を取引先とする金融機関は、当然、出資先子会社の財務内容をB社「格付」の材料として管理します。

「実質同一体管理」という仕組みで、A社の業績が悪化するようだと、将来的にはB社格付にも大きな影響を及ぼす事になるのです。

金融機関のそういう考え方を熟知している財務経理担当役員以下は、B社長や営業担当のA社支持に対して、将来リスクや疑問に思う点についての質問を重ねて来ます。

実は、今回の資本提携は資本注入だけでは無く、その他にもB社のおカネを投入していただきたい別のお願いがあったのです。

そういう点を含め、疑問・質問を繰り返し、会社の業績が悪い方向へ行く事を阻止しようとする力が社内で働くということは、B社は「ちゃんとしたまともな会社」であるという裏返しでもあります。

 

議論は尽きず、平行線のまま進んだのですが、最終的にはB社長から「会社経営にリスクは付きもので、リスクゼロの経営判断なんかそもそも無いんだ、リスクを取らない経営には未来が無い事は歴史が物語っている」趣旨の発言があり、何とか良い方向で纏まりそうです。

オーナー兼社長はこういう時、決断が早くて助かりますが、私にはその強大な力を持った権力者に、堂々と「会社のために否」と言える役職員、そしてそういう社員を社内に抱えておけるB社の「懐の深さ」が印象に残った訪問でした。

こういう会社もあるんですね。

無論B社は上場こそしていませんが、それと同等規模を持つ、業界大手の会社ではありましたが…

 

 

 



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