歴史と伝統

長年に亘り地方で事業を営んでいる「地場産業」の会社、

俗にいう「歴史と伝統のある会社」は誰でもその事業が継続することを願っている。

しかし・・・・・・・


世の流れ、特にマーケットは正直である。

どんなに伝統ある製品、商品、サービスであっても、

マーケットの情勢には逆らえない。

右肩下がりで売上が減少し、リストラしてもリストラしても毎年のように赤字決算となってしまう。

過去の蓄財があるうちは良いが、それがなくなると「資金繰り」がつかなくなる。

そうなった時に初めて自らの事業の「存在意義」を問い直す数代目の経営者が多い。


勿論歴史や伝統は無駄ではない。

顧客にとって、それは対価を支払うだけの価値を持っている。

問題は「その対価価値」と「経営」とのミスマッチを放置することなのだろう。

しかしマーケットや対価価値へ合わせた経営をするのは容易なことではない。


伝統ある会社に行くと、決まって感じるのが「会社は潰れない」という誤解。

確かに100年も同じ仕事が続いていれば「明日潰れる」という認識を持つことは困難であろう。

しかし、現実はどんな会社でも「資金がショートすれば潰れる」。

我々コンサルタントが何度も繰り返し「危機」を訴えても、時として他人事になる。


なぜなのだろう。

なぜ合理的でない「未来」を信じてしまうのだろう。

なぜ、根拠のない「明るい将来」を信じてしまうのだろう。

仕事ながらそれらを踏み潰すことに、何か意味があるのだろうか。


人の心は不思議だ。

希望がなければモチベーションを継続することは難しい。

しかし、今立っている現実を見なければ「明日」に生きることは出来ない。

いつ考えても難問である。





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