事業再生の現場から

再チャレンジ社会

「再チャレンジが受け入れられる社会」 ☜素敵な言葉です。

再チャレンジと言えば、プロ野球では“自由契約”となった後の「トライ・アウト」を経ての就職活動でしょうし、私が知らないだけで、サッカーとか、他のプロスポーツにおいても、様々な“救済措置”が施されているのでしょうね。

私のように、プロとして通用するような運動能力を持たない一般市民において、「再チャレンジ」とは、受験や就職、或いは結婚など(どれも人生において大切な選択であり険しいハードルですが)、そういう事に仮に失敗しても、メゲずに何度でも挑戦する(正に読んで字の如く)事で、そんな“挑戦する人達”を許容する社会を「再チャレンジ社会」と呼ぶのだと思います。

第一次安倍政権下で、憲法改正論議・教育改革と伴に“目玉政策”として注目されていた「再チャレンジ社会の構築」ですが、“再登板”なった安倍政権の下、どうやら水面下では、少しずつその準備が進んでいるようです。

言ってみれば安倍総理も「再チャレンジ中」ですもんね。

過日、取引先の元社長さんから連絡がありました。

「村上さん、中小企業庁から訳のわかんないアンケートが来て難儀してるんだけど、ちょっと見てくれないかなぁ?」

FAXでアンケートを送って貰ったら、びっくり!!

事業再生に関わった経営者に対して、その連帯保証債務がどう経営者の生活に影響を及ぼしたか? その調査でした。

中小・零細企業が金融機関から融資を受ける時、まず8~9割の確率で代表者(社長)や経営関係者の連帯保証を求められます。

海外のファイナンス(融資)では、事業融資の際、経営者の連帯保証を求めるケース自体が少ないうえに、仮に連帯保証を求められても、事業配当が終った時点で免責となる貸出(ノンリコースローン)が主体です。

ですが、我が国における連帯保証の解釈は、海外の「常識」では考えられないものです。

つまり、中小企業が経営破綻等により「債務不履行」に陥った場合、金融機関(債権者)は、当該法人(債務者)と同時に代表者(連帯保証人)に対しても、返済を求めて来ます。 事業清算による配当が終了しても、全額完済するまで、債務者・連帯保証人は責任を追求されます。 仮に保証人に自宅(不動産)等の資産がある場合、自ら処分(換金)して債権者に弁済しようとしなければ、「差押」等の方法により、強制的に処分されることになります。

この部分に関して、日本基準は“厳しい”のです。

中小企業経営者の中には、過去に“経営破綻”を経験したにも拘わらず、立派に事業を運営している方もいらっしゃいますが、前述のように債権者からの回収圧力が厳しいため、極々少数の経営者に限られているのが現状です。

今回のアンケート…。

全国の経営者に送付されているようですが、その声を聞き入れて、大胆な政策転換になるのか、注目している処です。

もしかしたら? 今まで行って来た事業再生スキームが、大きく変動して行く事になるかも知れません。

 



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