事業再生の現場から

リスケの出口戦略②

昨日の続きです。

メイン行特命担当者との摺り合わせを終えて、何とか金融団の皆様に納得して頂けるような経営改善計画書を纏めました。

まず安定した資金繰り環境に戻すべく、手許流動性の積み上げを目標にしました。

管理の行き届かない外注加工費の削減、社内連絡洩れによる製品ロス率改善、余剰人員の削減…

長期滞留売掛金の回収督促強化、未使用となった元社員寮の売却、金融商品の解約によるロス確定…

新聞代や本社清掃費、ゴミ処理費用の削減に至るまで、ほぼありとあらゆる可能性を(構想では)追求して来ました。

一部には、どうしても解決できない問題も(手付かずで)残っては、いるんですがネ。

途中経過は、前述試算表の数値や資金繰表上の繰越金等の推移に表し、毎月メイン行から始まってサブメイン、第三位行、第四位行と、順序良くご説明にあがるのです。

「あれっ、もうそんな時期ですか?」 例月の事なので、アポ無しで店舗にお邪魔しても邪険にはされません。

業績も…そう、業績も良くなってきましたよ。

安心できるレベルになったと、言いきれるまでにはまだ時間が掛かりそうですが、昨日メイン行の支店長さんからこんな話がありました。

「H社さんも銀行窓口が多くては大変でしょうから、どうですか?まだ私の構想段階で店内協議もしてないのですが、下位行の借入金をうち(メイン行)が面倒を見ましょうか?(面倒を見ると言うのは“肩代わり”すると言う意味です) 無論、担保条件は今の他行さんの条件そのままで。」

「この先、円滑化法の廃止やADRの影響等も考えると、下位行(下位行にもADR当事者の都銀あり)分を纏めた方が良いと思います。」

「肩代わりも有り難いですが、ある程度他行の借入が纏まった時点で、リスケの出口戦略として、H社の正常運転資金を認めて頂き、手形貸付で短期経常資金扱い、利益償還が必要な資金は証書貸付で長期弁済、と言うように返済方法にメリハリを着け、償還不足分は返済した分折り返し融資をお願いする、と言う風に一気に正常化に向けた形を作って行きましょう!」 と私。

「もちろん、最終形はそうしたいと思ってますよ。まずは“うざったい”下位行を纏める所から始めようと思います。」 と支店長。

んーっ、何か面白そうな展開になってきそうだぞぉ♪

 自己資本もプラスだし、後は(借入金の)償還力だな…。

 

 

 



コメント

※コメントは承認制となっております。承認されるまで表示されませんのでご了承ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です