事業再生の現場から

不動産投資熱の危うさ

異業種交流会を通して若手経営者の皆さんとの付き合いが増え、若手の皆さんの夢を聞く機会が増えました。

皆、会社員時代にノウハウを身に着けた業界・業種で活躍していたり、自己啓発から資格を取得そのまま独立開業したりと、経歴はバラバラながら“男(女)一匹”体を張って生きている、そんなたくましさを感じさせてくれる方達ばかりです。

そんなんで、私はいつも若手経営者の皆さんの「バイタリティ」や「モチベーション」に感服しているのですが、ひとつ不思議に思うことがあります。

多くの若手経営者が「異口同音」に発する言葉があるからです。

「将来的には不動産投資をして不労所得で喰って行きたい…」

あのさぁ、せっかく本業で成功して貸しビルや賃貸物件を保有する事ができたんだったら、本業を続ければ良いんじゃない?(私の心の声)

「不動産賃貸業なんてつまんないと思うよ! 本業でいろんな人と出会ったり、泣いたり笑ったり、怒ったり哀しんだり、ドキドキしたり感激したりって言うのが、一番だと思うんだけどなぁ」と私。

士業(弁護士・会計士(税理士)・不動産鑑定士・建築士・司法書士・行政書士etc)で開業している方に、そういう傾向が強いようです。

昨今、銀行融資を組んでの貸家経営が持て囃されている傾向があるので、皆が皆「不動産投資=儲かる」と見ているのかも知れません。

家賃等毎月決まった金額の入金は、確かに魅力あると思うけど、不動産を持つって結構コストが掛かるんだよね。

景気の良い時に不動産を買って業績が悪くなるとリストラで不動産を売る、という人の行動パターンは昔から続いている事ですが、金融緩和期に「分不相応な」買い物(不動産投資)をすると、借金の重さに経営の「フリーハンド」を失う事にもなり兼ねません。

30年近く、そうした失敗事例を幾つも見て来ました。

皆さん、慎重に考えたうえで行動しようね。

せっかく本業はうまく行ってるのだから。

 

 

 

 

 



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