事業再生の現場から

電機メーカーも悲喜こもごも

2016年3月に本決算を迎える上場企業の9月中間決算発表が続いている。

中でも、海外メーカーによる市場浸食で、AV機器などかつての稼ぎ頭が経営のお荷物となり、事業部門の取捨選択を迫られ「経営再建」途上にあるソニーやパナソニックなど有力電機メーカーの決算に注目していたが、それぞれ電子デバイス部門やヘルスケア製品の販売好調さが、両社の業績を牽引したようだ。

日立や三菱電機など重電部門を持つ総合電機メーカーは、インフラ部門が収益の柱になっていると言う。

中間決算で減益となったNECでさえ、構造改革の成果とマイナンバー制度導入等のIT需要が下期に期待されているとかで、株価は急落したが、GS証券などは格付や目標株価を維持したまま(引き下げなかった)据え置いている。富士通などもNECと似たりよったりの中間決算になるのだろうか…、それにしても数年前のようなことはないだろう。

 

一方で、不適切な会計処理が問題になった東芝や経営再建途上にあるシャープの、相変わらずの不振が際立っている。

シャープは決算見込みを下方修正しているし、東芝も、最近は(不正事件で叩かれている)旭化成の陰に隠れてじっとしているように見えるが、画像センサー事業をソニーに売却する等の「改善策」を実行している。

がっ、ソニーが世界的な需要を見込み、心血を注ごうとしている画像センサー事業、いわば「虎の子」であろう事業を手放さざるを得ない東芝…。

同社の中間決算も、おそらく従来予想を下回りそうな気がする…

 

事業の構造改革・改善が進み、先行きに明るさが見えだしたソニーやパナソニックに対して、未だ燭光が見えているとも思えない東芝・シャープ。

経営の巧拙が会社の命運を左右するのは、なにも中小企業に限ったことではない、と言うことだろうか。

 



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