事例とお客様の声
事例

23. 従業員設立の第二会社を活用して再生した事例

業種 中古自動車販売業
事業規模 年商 8億円
従業員数 9名
資本金 1,000万円
業歴 31年

[問題点]

  • リーマンショックによる景気後退期の需要減で売上が激減、在庫処分や従業員リストラが遅れ、3期連続で大幅赤字を計上、資金繰り逼迫を理由に借入金の条件変更(リスケ)支援を受けたが、以降銀行からの運転資金支援無く、日々ギリギリの資金繰りが続いている。
  • 代表者に後継予定者無。
  • 税務署への消費税納付、年金事務所への保険料支払いが遅延、銀行への利息支払遅延が目前に迫っている状況。

解決までの流れ

  • 代表者と家族を含めて話し合った結果、後継者も居ないことから、最終的にM&A的手法で事業基盤と従業員雇用を託せる事業者へ経営権を譲渡、以降の経営を委ねたいとの結論に達した。
  • 同業者への支払優先しながらの資金繰り維持のため、当面は銀行への弁済ができない事情を各行に報告、M&Aにより「時価」で事業を買い取る投資家を半年以内に見つけるとの約束を交わした。
  • 在庫処分、店舗の統廃合(賃貸物件の集約)、人員整理を次々に実行。手許資金を積み上げ、業者未払金をまず完済、次に延滞している銀行への利息支払も実施(未払利息も解消)、遅れていた消費税完納・社保未払金も一部納付、従業員への退職金原資も確保した。
  • 一方、M&A専門業者や銀行、業界事情に詳しい情報会社等々のルートを使い買受先を探すも、企業規模やEBIT(イービット=企業の収益性指標のひとつ)優位性が低く、半年が過ぎても売却先が見つからない状態が続いた。
  • 3店舗あった営業店を本社に統合する際、リストラ予定だった店長の一人が「他社に会社を売るなら私が独立するので売って欲しい」と買取意思を表明、W社長にも顧問として新会社のアドバイザーに就いて貰いたいとの申し出もあったことから、残った従業員4名も全員雇用するとの条件で、買受先として元店長を選定することとした。
  • 元店長を代表とする新会社を設立、W社の事業価値を再査定、譲渡金額を2,000万円とすることでW社長(売主)と元店長(買主)が合意、W社最大の債権者である取引銀行へ、譲渡先・譲渡価格決定の経緯を説明、併せて譲渡後W社の取扱についても報告を行い、同意を取り付けた。
  • M&A方針を決めて8か月後、W社とW’社(元店長の会社)間の事業譲渡が成就、従業員の新会社への転籍も完了、譲渡代金(店長退職金精算分を除く1,600万円)は、取引銀行3行にシェア割で全額を弁済した。W社の旧本社がW’社の本社となり、看板もそのまま使用し続けることで、顧客が離れて行くデメリット無く、事業は順調に続いている。
  • 事業を譲渡したW社は、事業譲渡日を最後に決算申告を行い、税務署に廃業届を提出、休眠会社となった。W社は今後法的清算を目指して行く予定。

スキーム図

事例23-スキーム図

お客様の声

W社長

リンクスと知り合うきっかけは?

取引先の社長からの紹介です。

紹介してくれた社長もリンクスさんのお世話になったそうで、以前から「資金繰りが大変なら紹介してあげるよ」と言われていました。

最初は銀行にリスケをして貰うことで「なんとかなるかな」と思っていたんですが、もう自分ではどうして良いか分からなくなっちゃって、会ってみようという気になったのです。

リンクスに依頼する決め手となったのは?

家族を集めて「今後のことを話し合いましょう」と言われたことです。

私の息子2人は、それぞれ歯科医師と東京でサラリーマンをしていまして、私の仕事を継ぐ気は全くありません。家内も体が弱く、本来であれば私(68歳)が病院の送迎に付き添ったりしなければならないのです。

後継者が居ないことで、この商売にいつかは終止符を打たなければならないことは、私もわかっているつもりでしたが、今回息子達の意見や家内の気持ちを改めて聞くことができて気持ちが整理できました。

同業者には迷惑を掛けず、銀行さんには多少泣いて貰っても「今までに十分金利は払ったでしょ」と励ましてくれたのにも救われました。

リンクスに依頼して良かった点は?

最初に「事業は外に売る、売ったカネは銀行に返済する、残債務は法的に処理する」と明確に方向性を決めて貰えたことです。

あの時点で弁護士事務所に駆け込んでいたら、勧められるまま破産の道を歩み、同業者にも迷惑を掛けることになっていたと思います。

「商売を辞めるにしても辞め方があると思いますよ」とリンクスさんに言って貰えたから、間違った判断をしないで済んだんです。

銀行や保証協会に一部借金が残ってしまいましたが、それは私の責任でこれから法的に処理していただこうかと思っていますが、後を継ぐ形となった元店長のW’クンがこれまで成長しているとは、また私を助ける一役を担ってくれるとは夢にも思いませんでした。

振り返ってみて一言お願いします。

事後の生活や身の振り方についても真剣になって考え、また道筋を付けていただけることになって本当に感謝しています。

これからは、この業界で培った人脈や商流をW’社のために役立てて行きたいと思います。

また仕事に感けて顧みることの少なかった家内を大事にしようとも思っています。

リンクスさんには、多くの人達が助かるよう、いっそう頑張って貰いたいと思います。


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