事業再生の現場から

分捕り合戦の様相…セーフティネット融資を巡って

お早うございます。

新型コロナウィルスの拡がりが「イベント集会の中止・自粛」や「生活必需品の入手困難」など、私達の生活にも影響を及ぼすようになって数週間が経ちました。

政府のいう「今後1~2週間が大切」とのコメントが発せられてから2週間も経ちましたが、依然として感染者数の増加は止まらず、プロスポーツ競技でも「無観客試合」が続く「異常な状態」の収束の目途が立ちません。

様々なイベントを主催する興行関係者からは「経営が持たない」「政府に助けて貰いたい」等々の意見が寄せられています。

コロナウィルス問題が発生した当初は、中国の「春節」でのインバウンド需要が、当てが外れ“空振りに終わった”程度で済んでいましたが、国内感染者急増を受けての政府の措置が、様々な業界に影響を及ぼしている事は否めません。

学校の休校要請や集会自粛という事で、イベント主催者は元より「飲食店」売上も極端に落ちているようです。

卒業式シーズンに合わせた花束需要が無くなった事で「生花業界」や生産者たる「切り花農家」が、卒業式が中止・小規模開催となる事で着付けや「美容業界」からも悲鳴が上がっていると聞きます。

 

金融業界、特に顧客に中小企業を抱える中小金融機関(信金信組・第二地銀など)は、月が代わった3/2から「セーフティネット保証(第 4号要件)融資」の猛烈な売り込みを取引先に向けて始めています。

前述のような新型コロナウィルス感染拡大の経済活動への影響を受け資金繰りに窮している(窮するであろう)中小企業の資金繰りを支えるべく、政府が100%保証して中小企業の金融を円滑にならしむという目的で、今月初旬から「セーフティネット保証第 4号要件」を作り実際に運用(申込受付)を始めたのです。

この融資は「100%政府保証」という所が「みそ」で、通常の保証枠とは別枠として融資枠が設定される事もあり、認定要件が「前年対比20%以上の売上減少」とか、確かに利用者にとってはとても有り難い融資なのです。

利用者が万々が一融資金を弁済できなくても、「100%保証」なので取り扱った金融機関は痛手を負う事がありません。

この低金利・低需要の時代に「貸すだけ貸せるし万一の時も自社は傷を負わず金利も稼げる」となったら、傍観している方が「何やってるの?」という事なのでしょう。

しかしセーフティネット保証融資も、締切期間があります。

いずれ予算も尽きる可能性があるので「早い者勝ち」の様相です。

という事で、先週は都内の取引先数社との時間が長かったのですが、金融機関担当者は目の色を変えて「融資セールス」に日参…なんて取引先もありました…。

まさに「予算の分捕り合戦」のようで。



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