事業再生の現場から

中小企業には重い賃上げの季節…

来年度の賃上げ交渉が山場を迎えています。

昨日3/18は多くの労働団体から経営者側の回答が発表、要求水準に対して「満額回答」なる景気の良い言葉が躍っていました。

大手企業は業界によって多少の差はあるものの、概ね 5%程度の「賃上げ」を勝ち取ったようです。

物価高が続く中、昨今の原油高もあって、5%の賃金引上げが実現しても「生活は大丈夫なのか?」という不安の声もあるでしょうけど、これが従業員に賃金を支払う経営者の立場になると、なんとも恐々とする春闘結果でした。

労組側に「満額回答」できる大手企業は、オーナーシップと業務執行(経営)は別と明確に分離している(株式上場)企業が大半でしょうから、経営者とは言え、社員の給与を「身銭を切ってでも支払う」事は無いでしょう。

しかし、中小企業経営者の立場は全く違います。

事業母体が小さく脆弱な財務体質にある多くの中小企業では、資金繰りに窮して社員の給与支払に支障が出ようものなら、社長(多くは株主でもあり代表でもある)は自分の財産を会社に投入してでも、社員の給与資金を準備する事になります。

なぜって? 給与支払ができなければ社員が会社を去り、事業が成り立たなくなるから…

だから経営者は必死になって資金繰りに向き合うし、私財を提供してでも「事業継続」の為に社員を大切にするのです。

 

これだけコメが高い、ガソリン価格が騰がった、諸物価の値上がりが来年度も続きそうだとの情報が溢れていると、中小企業の社長さん達も「従業員の生活を憂い」世間相場とは言わないまでも、今年も「賃上げ」を検討せざるを得ないでしょう。

政府も積極的な賃上げに努力する中小企業には、各種「補助金」等を準備して支援するものと思われますが、昨年からのトランプ関税や電気自動車(EV)投資失敗による自動車業界のリストラで、マイナスの影響を受けている中小企業は相当数あると思われます。

そういった企業にとっての「賃上げ」は、固定費増による減益要因です。

知り合いの経営者の中には「もう破れかぶれで賃上げするしかない」と腹を括った社長も居ますが、私が外を回っていても、まだ賃上げそのものの実施や賃上げ幅を決め兼ねている経営者が多いという印象です。

なんともキビシイ春闘結果です…



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