事業再生の現場から

地銀は生き残れるか㉘

日本経済新聞を始めとする各紙が先週報道したところによると、金融庁は、全国の地方銀行に対して、首都圏等の人口密集地域に「越境して」進出した支店(営業店)から不動産業者に対する融資が急拡大している事に警鐘を鳴らしていたようです。

十分な与信管理手法が担保されなかったり、業種別限度額等のポートフォリオ管理が甘い銀行には「改善を促す」との指導も行ったという事なので、これは“警鐘を鳴らす”と言うより「警告」に近い指摘なのでしょう。

都内で新規発売される新築分譲マンションの平均価格が「億超え」、東京23区内の(ファミリー型)中古マンションの平均価格も「1億円を超えた」と報道される等、この数年首都圏の不動産はうなぎ上りで推移しているようです。

金融機関とすれば、不動産を担保に比較的短期間で回収できる業者向け貸出で比較的金利設定に鷹揚な業界である「不動産業」向け融資が魅力的に映る事でしょう。

でもそれは「不動産需要が旺盛で取引も活発な」都心部ならではの事情…

本店や地盤を「田舎」に構える多くの地方銀行にとっては、人口減少や進出企業の海外移転や撤退が続く地方経済圏と比べて見ると、とても羨ましい光景です。

 

全国に地方銀行は100余あると言います。

それらの地銀は、ほとんど全ての銀行が「財務省との連絡窓口」や「進出企業本社との窓口」として東京に「東京支店」を置いています。

斯くして東京支店は旺盛な不動産担保融資を支える金融機能の一肢として「大活躍」する事になります。

四国の某地銀が10数年前から都内に複数店舗を開設し積極的に融資先を開拓して行ったのは、業界では有名な話で、現在の不動産市況を見通していたとは思えませんが、それでは「先見の明」があったのだと思います。

衰退する地方の事情や資金運用上の必要性もあって、地銀の多くは首都圏店舗での不動産業者向け融資に積極的に取り組み、利益もそれなりに挙げて来ているのが現状だと思います。

 

ただ1990年代に始まった「バブル崩壊」の元となったのも、不動産相場の値下がりからでした。

あの時は行き過ぎた不動産取引価格を抑制するため、金融機関からの資金調達枠を規制する「総量規制」導入がきっかけとなりましたが、さて今回はどうなりますか…

今回の警告…メガバンクには出されていないそうです。

事業規模から推しメガバンクの規模とリスク管理能力があれば問題ナシとの判断なのでしょう。

果たして地銀はどうなんでしょうね。



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