事業再生の現場から

いわき信組の後始末は…②

「いわき信用組合って何をやらかしたの?」珍しく、細君氏が私に問いかける。

滅多に仕事に絡むような事を聞いて来る彼女では無いので「なんでそんな事に関心あるん?」と問い返すと…

「何気にTVを点けていたら 〇チャンネルのワイドショーでさぁ、いわき信組の不祥時を取り上げていたんで気になって…。足銀の時とは(内容が)違うんでしょ?」と疑問に思ったとの事…

同番組内では「過去に類を見ない程の悪さ」と事件を紹介していたとの事で、彼女なりに気になったらしいのです。

「足銀とは問題の本質は違うと思うけど、事件を起こした背景は一緒よ。過剰融資に大量の不良債権発生という点では…」

 

いわき信組の顧客口座を無断借用して行っていた“不良債権隠し”や実態の隠蔽、行政庁への虚偽報告やそれら全体を隠匿した状態で受け入れた公的資金の問題は、業界ニュースや経済ニュースを超え、地上波TV昼のワイドショーネタにまでなって来ているようです。

同組合でも間もなく代議員会(株式会社の株主総会に相当する)が開催される予定で、「旧経営陣の責任」を常々広言して来た現理事長を始めとする執行部(理事)が退陣し、新たに組合内部昇格者をメインとした新執行部の選任を予定しているとか。

地元と組合内部事情に精通する内部昇格予定者を組織のトップに持って行こうとする新人事案に、金融庁が口出しして来ないとは思わないのですが、まだ不正の全体像を把握して責任の所在を明確に問うという大事な仕事が控えているだけに、いきなり外部から有力者を同組合に派遣する事は控えるのかも知れません。

もしかすると、金融業免許も取り消される可能性もあるかも…

過去20年の長きに渡って不良債権問題を隠蔽し、監督官庁にも虚偽の報告を重ねた背景には、絶対的な力を持った経営者の独走を誰も止める事ができなかったというガバナンスの問題がクローズアップされるでしょう。

少なくとも内部人材だけで固めたボード(経営陣)では、再発を防止するアクションとしては心許なく映ります。

 

さて、いわき信組の後始末はどうするのか?

存続か廃業か? 或いは合併等で組織は霧散消失してしまうのか?

若しくは外部からトップを迎えて自主再建を認められるのか?

もう暫く世間の注目が集まりそうです。

 

 



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