事業再生の現場から

真面目なお仕事の話②

さて、昨日からの続きを…。

メイン行が「金融協定」を組みたがるのは、それが銀行にとって“都合が良いから”と言うところで、前回は終わりました。

なぜ“都合が良いか”と言いますと、それは“抜け駆け”防止、或いは抑止策として効果があるからです。

「金融協定」を結んでおけば、メイン行が懸命に取引先の資金繰りを支えている間、他行がその足を引っ張る事ができません。

「銀行ってそんなあくどい事するのか?」と思う方もいらっしゃるかも知れません。

でも銀行が取引先に融資している貸出金の原資の大半は、「預金者」のお金です。 銀行の自己資本比率はせいぜい10~15%ですから、日本の銀行が皆様に融資している資金の大半は「預金者の皆様」からお預かりしている大切なお金なんです。

俗に「銀行は晴れた日に傘を貸しても、雨になると傘を取り上げる」と言いますが、銀行さんにしてみれば、お客様からお預かりした大切な資金な訳ですから、慎重に運用先(貸出先)を選別しますし、基本的に不良債権化が窺えるようになり、貸倒リスクが懸念されるようになると、貸出金の回収を急ぎたくなる訳です。

それが「雨になると…」という行動に結び付くので、債務者側からすれば「銀行はあくどい」となるんです。

ただ、銀行は沢山の取引先を抱えていますから、主力行になる時もあれば準主力行になる時もありますし、場合によっては“お付き合い”程度の下位取引行になる事もあります。

取引先からリスケ(返済条件変更)依頼等の支援要請があれば、公的な立場で金融団を調整できる中小企業再生支援協議会等を活用して、全取引金融機関が同じ方向を向いて債務者を支援すべく「協調体制」を築き上げ、一部の銀行が「不良債権化する前に回収を進めよう!」と暴走するのを防ぐのがメイン行の役割でもあると思います。

結果的にメイン行の負担軽減になる事ですが、何より債務者の資金繰りにとって有効な方法だから、こういう風に面倒を見て頂ける事は大歓迎ですがね。

金融機関が取引先によって、メインになったり下位になったりなんて日常茶飯事ですから、「明日は我が身」「相身互い」的な判断をされるケースが多いのです。

まぁ金融機関サイドの事情をグダグダ並びたてて話もぐだぐだになっちゃいました。

昨日の酒が効いて、胃が痛みます。 

さてそろそろお出掛けしないと…。



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