事業再生の現場から

中小企業経営支援機構

ちょっと見(み)政府の外郭団体で、中小企業の経営をサポートしてくれそうな公的機関のように思えますが、同社はれっきとした「株式会社」で純粋な民間の営利企業でした。

「でした」と言うのも、この会社現在は㈱BASホールディングスと名前を変え、去る3月26日東京地裁に自己破産の申立を行ったからです。(25.04.18 週刊帝国ニュースより)

この会社は、小泉政権当時金融政策を一手に引き受け、郵政民営化の実務担当者としても辣腕を振るった竹中平蔵氏の「ブレーン」と言うか「盟友」とも称された木村剛氏のアイディアで生まれたとされる「日本振興銀行」(H22.9月経営破綻)の大口貸出先で、同行の融資先に対する“保証業務”と“コンサルティング”を主な業務としていた会社ですが、同行の経営破綻と共に売上が激減し、今回の破産申立てに至ったとのコメントがなされています。

この木村氏が「日本振興銀行」の金融庁検査“忌避(きひ)”事件で起訴され有罪判決を受けたことを知る人は多いと思います。

とにかく往時は“竹中別働隊”と云うくらい新聞・TV等のメディアへの露出が話題となり、口の悪い政治家に言わせると「欧米の手先」的な批判も受けていたことを思い出します。

「ミドルリスク先にミドルレート(金利)の貸出」を標榜して始まった「日本振興銀行」ですが、営業開始から僅か7年で破綻することになり、同行の貸出資産はイオン銀行に譲渡される事になりました。

私も仕事柄、相談においで頂くお客様の決算書の「借入先明細」の中に「日本振興銀行」や「イオン銀行」の名前を見つける事があります。いずれも少額で、メイン・サブメイン銀行から資金調達が厳しくなった企業が「相談していた銀行」である事は間違いないのだと思います。

その意味で「ミドルリスク先」を顧客とする“高邁な理念”には、実は私感服しておりました。

問題はその次に来る「ミドルレート」の部分で、私が出会った企業さんの中には「売掛金担保(前にお話ししたABLですね)」&「保証会社保証付(中小企業経営支援機構保証)」&「実質年率10数%」という高金利の融資を受けている会社がありました。

民間銀行ですから、リスクに見合ったリターンを求めるのは当然ですし、健全経営を維持するためにも高収益を生み出す「ビジネスモデル」は必要です。

ただ木村剛氏がマスメディアを通じて語っていた「理念」と「実態」のギャップに多少驚いた思いをしたのも事実です。

利息計算書を見せて貰うと「年率○.○○%」の傍に「手数料 ○○万円」とか表示されており、実質年率はビックリするくらいの高金利です。

「言うは易し行なうは難し」なのでしょうか?

自戒を込めて、このニュースに思いを馳せました…。

木村さんごめんなさい。これも有名税だと思って笑ってくださいね。

 

それでは、皆様今週も頑張って行きましょう!!(誰か、お前も頑張れよって突っ込んで!!)

 

 



コメント

※コメントは承認制となっております。承認されるまで表示されませんのでご了承ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です