事業再生の現場から

アパート投資の盲点

最近の本屋さんで目立つのは、ビジネス書の株式投資コーナーの充実ぶりでしょうか。

昨今の株式相場の高パフォーマンスを背景として、株式投資に目を向ける人達が増えている事を実感します。

同じく「投資」という括りで考えると、刺激的なタイトルで読者の足を停める「不動産投資」に関するコーナーで、熱心に読み込む人の姿も増えたような気がします。

“立ち読みウォッチャー”としての当て推量ですから、ホントかどうか当てにはしないでくださいね(笑)

「サラリーマンでも大家になれる」「アパート投資は儲かる」云々…

表紙の色も黄色や青、オレンジ色であったりと、様々です。

いずれの本も内容としては、特に“新鮮味”がある訳でも無く「まぁ、そういうことでしょうね」なんですが、著者の皆さんはいずれも自分自身の“成功体験”を記している訳ですから、本に書いてある内容はいずれも「事実」で、その結果皆さんご自身の資産を急拡大させ「プチ金持ち」いえいえ「大金持ち」になられたのでしょう。

でもどうなんでしょう? 不動産投資ってそんなに良いものなのでしょうか?

ちょっと考えてみましょう。

初めての不動産投資は“慎重に”自己資金1,000万円を投じて中古マンションを一戸購入、そのマンションを賃貸に回して月額10万円(年間120万円)の賃料収入をゲット。

まずこんなところから始める人が多いのではないでしょうか?

税金や諸経費を除いて手許に70万円が残れば、投資利回り7.0%です。

銀行の定期預金が0.03%くらいと考えると、桁外れに高利回りな投資だったことになります。

味を染めた投資家(もう投資家気分です♪)は、次は500万円の自己資金と銀行から4,500万円のローンを借りて5,000万円の中古アパートを1棟買いました。年間家賃収入は600万円、諸経費等を除いても400万円現金が手許に残りました。

利回りは8.0%ですが、今回の案件は投資金額が大きかったので、働かないで(アパートはフル稼働してくれましたが)得た収入(不労所得)は400万円と多額です。しかも今回は手持ち資金は500万円しか使わず、大半が銀行借入ですから資金面だけで見ると「他人の褌で相撲を取る」嬉しい結果となりました。

この人にサラリーマンとしての収入が500万円あり、所得税や社会保険料等天引きされた後の年間収入が380万円くらいあるとすれば、“本業以上の収入”をアパート経営をすることで得られたことになります。

とても魅力的なお話です。

“未来のあなたは「お金持ち」の仲間入りよ”、と立ち読みする御仁の耳元で天使が囁く。

「サラリーマンで不動産投資経験の無い人でも、こんなに上手く行くならオレにもできるかも…」

そして取り敢えず本を手に取り、店員さんの待つレジへ。

 話が長くなりそうです、次回へ…。

 

 

 

 

 



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