事業再生の現場から

期末決算に向けて…

期末決算に向けて、金融機関による「お客様へのお願い」攻勢が続いている。

「お願い」の内容は様々だ。

昔のように、期末(9/30)越え預金・貸出をお願いする「オーバーナイト取引」を露骨にお願いする動きこそ耳にしないものの、手持手形の「割引依頼」や手形貸付による「短期資金調達の依頼」、預金の自行集中などはまだ可愛い方で、中には顧客ニーズに無いのに「私募債」発行で資金調達を進める動きもある。

私募債は、調達する側(発行者=債務者)にとっては、口座に現金が入金される点で融資を受けたのと変わりなく、固定レートで比較的低利で資金を調達できるメリットがあります。

私募債を引き受ける側(通常は銀行)にとっては、引き受け手数料が発行時に獲得できるメリットがあり、融資に比べて「収益の前取効果」が大きいのが特徴で、自店や自行の利益目標達成が厳しい時には、「干天の慈雨」的効果を金融機関に齎します。

なので、「〇〇株式会社 第1回無担保社債発行記念」などのタイトルが入った記念盾などを、相談者の応接室などで見つけると、「ははぁーん、銀行にしてやられたな…」と、私などは思ってしまいます。

 

良い事ばかりに思われる「私募債」取引にもデメリットがあります。資金繰りに窮して、その「償還(返済)」が見込みが困難になっても、条件変更(リスケ)ができないのです。

実際の現場では、「償還金」相当金額を引受銀行が追加融資して「償還」に充て、資金繰りは保たれるのですが、当該銀行の取引先に対する評価は「債務不履行=デフォルト先」となり、その後の取引が様々制限されて来ます。

因みに弊社のクライアントで、このパターンに嵌められた先がありますが、借換資金の金利は5.00%以上、他のリスケして貰った借入金金利が2.00%前半水準であることを思えば、「デフォルト」の意味の大きさが分かるかと思います。

この借り換え分の金利引き下げをお願いしても…「社債の償還ができないことで、債務不履行扱いなんですよね…」と担当者も困惑顔で、利下げに応じようと言う気配は全く無し。

「銀行の言う事をハイハイ聞いていたら…」という本が売りましたが、よくよく考えないと、後でたいへんな事態に巻き込まれることになるかも知れません。

9月、3月は金融機関の決算期。

可愛い「お願い」なら、お付き合いも良いでしょうけど、「うまい話」持って来られたら、よくよく考えた方が無難だと思いますね。

それでは、また!!



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