事業再生の現場から

メイン寄せ(前回の続き…)

前回の続きを少し…

 

東芝再生にかこつけて、金融機関同士で行われる「メイン寄せ」を説明したつもりですが、今回の「東芝」支援では、金融機関同士の「駆け引き」では済まない様相です。

言うまでも無く、東芝は日本を代表する大企業です。

以前にも書いたように、国策・原子力発電事業は、引き続き同社によって技術が継承されて行くようです。

政府(外交・防衛・経産各省)にとって大切な原子力技術、安全保障の観点から見ても、北東アジアに様々な思惑を持った国々が凌ぎを削っている現実がある以上、東芝が持つ原子力技術は「日本国政府」の目の届く範囲で、保管・保存されるべきものなのです。

 

となると、下位行に並ぶ中小金融機関の「自行さえ助かれば…」的な判断で、東芝再生が暗礁に乗り上げるような事態は、政府としては避けたいところでしょう。

すると金融機関に「圧」を掛ける必要が出て来ます。

政府は、銀行団に“勝手気まま”に振る舞って貰っては困るのです。

 

ここで金融機関にとっては「鬼より怖い」金融庁の出番となります。

金融庁は金融機関の監督官庁として、絶大な権限を有しています。

その気になれば…

 

と言う訳で、「メイン寄せ」して東芝問題から「逃げ出したい」と思っている中小金融機関も、金融庁の意向を忖度しながら、“恐る恐る”メイン寄せの可能性を探っているのが、今の状況だと私は思っています。

株式会社として取引先のリスク管理に対する執行責任を株主から問われるのも嫌…

かと言って「面と向かって」金融庁に盾突くのも怖い…

 

いろいろな思惑が蠢いているのではないかと思いますが…

真相は如何に???



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