事業再生の現場から

それにしても高くない!? 銀行の融資手数料②

昨日の続き…

日銀による「超低金利政策」が続く中、貸出金利の低下に悩む金融業界の「蛮行」は酷いものです。

優良取引先は“敢えて銀行から資金調達をする必要が無い”のですから、そんな相手に資金を使って(借りて)貰うのには、殆ど「ゼロ金利」に近い水準を提示するしかありません。

巷の噂では、上場する大企業に対するスプレッド(金利幅)は、今や1/100%水準もザラにあると聞きますし、実際に私が伺った例では、優良中小企業向け貸出金利が0.10%台だった事もあります。

そのツケを払わされているのが、財務体質がぜい弱な多くの中小企業・事業者であると、「融資手数料」の観点から私には見えるのです。

 

資金繰りに困った中小企業は、取引金融機関に「金融支援」具体的には借入弁済条件の変更「リスケ」を求めます。

金融機関は、リスケ期間中に自らの痛みを伴う経営改善策の実行を企業に約束させる等の条件を付けつつ、最終的には「金融支援」を決断して、企業の改善努力を見守る例が今でも多いと思います。

この辺りは、さすがに「金融機関」です。

株式会社と言う営利事業体であっても「社会的インフラ」担い手としての「公共性」が垣間見れます。

 

ところがそれらの金融機関の多くは、リスケ支援先等から「法外な」と言うと言い過ぎかも知れませんが、金利以外にも「融資手数料」という名目で、少なくない金額を勢〆て行っています。

銀行によって手数料水準は違うようですが、私の知っている例では「条件変更事務手数料」として30,000円を徴収する銀行がありました。

それも貸出毎にです(-_-;)

リスケ支援先に貸出が、手貸2件、証貸3件あったとしたら、30,000円×5件= 150,000円(+消費税)が、リスケ更新毎に融資先に請求されているのです。

しかも、リスケ更新期間は、殆ど金融機関からの「言い値」と言うか「通告」であることが多く、3か月毎であったり、6か月だったり1年だったりとマチマチなのです。

この条件変更事務手数料は、融資残高に応じての金額では無くて、貸出件(本)数毎に付加されるので、割と小口の借入が多い零細な事業者にとっては、金利以上にダメージが大きい場合も多く、私も何度か善処を求めた事があります。

金融機関側で決めた手数料水準にケチを付けてもこれは如何ともし難いことは分かっているので、「貸出件数を纏められないか」とか、「期中の報告業務を増やすのでリスケ更新期間を3か月→1年とかに延長できないか」と言う交渉になります。

幾つかのケースで、結果的に金融機関に支払う「融資手数料」を削減できた例はありますが、基本的に金融機関側には「大義名分」があり、債務者側の事情を酌んでくれる例が多い訳ではありません。

 

それにしても「融資手数料」として取引先から徴収して行く手数料は、全国的には数百億円規模になるんじゃないでしょうか?

リスケ更新期間の設定など「もしかして手数料を稼ぐために、ワザとリスケ更新期間を短期に設定しているのかよ!」と思わざるを得ない事例もたくさんあります。

手数料水準も金融機関側の勝手、融資期限の設定も同様では、借り手側には抵抗の術がありません。

それにしても「銀行の融資手数料」、高すぎるんじゃないかと思いません?

 

 

 

 



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