事業再生の現場から

久々の傍聴

先日、宇都宮の簡易裁判所で裁判を傍聴して来ました。

言っておきますが、弊社or私が裁判の当事者となっている訳ではありませんので、誤解の無いようにお願いします(笑)

私は、銀行員時代のある時期、不良債権の管理・回収を5年くらい担当していました。

銀行業務の中でも、この不良債権管理・回収業務というのは、「裁判所」や「弁護士」と絡む機会が多く、実務上でも「民事執行法」などの法律を読み込む必要もあって、とても勉強になる仕事です。(私はそう思ってやってました)

例えば、銀行では良くあるパターンですが、融資をしている銀行は「債権者」、借入した事業法人は「債務者」、借入に連帯保証した代表者(社長)は「保証人」となりますが、この代表者に担保提供していなかった不動産(なんでも良いですが、都内のマンションとでもしておきましょう)が見つかった場合、私が回収担当者だったら、次のような手続きを執ります。

まず、代表者個人が所有するマンションを“取り敢えず”仮に差し押さえます。(仮差押という手続きです)

これは、頭取の代理として職員(行員)が手続きできますので、裁判所に申立をして裁判官との面接とかも受ける事になります。

続いて、債務者・連帯保証人に対する訴訟(金額次第では支払督促)を起こします。

支払督促なら自分でやりますが、さすがに訴状を作る事はできないので、銀行の顧問弁護士の先生にお願いします。

大概は「貸金請求訴訟」ですが裁判が行われる事になり、場合によっては私も担当者として傍聴することもあります。

そして判決で「勝訴」が確定したら、そこから先は自分でやります。

仮差押中のマンションを「強制競売」に掛けて、回収を図るのです。

ざっとこんな流れですが、担当者はそんなこんなの手続きを実務書や解説本、或いは法律書を読みながらやってる訳です。

自然と裁判所や弁護士との距離も近く感じるようになり、変な「慣れ」と言いますか、司法の権威たる裁判所に足を踏み入れても、初めて行った時のような「ドキドキ感」を感じないようになって「不感症」になっちゃいました(笑)

久しぶりの傍聴に少し緊張しながら、裁判官の黒い法服を遠巻きに見つめて来ました。

ところで、簡易裁判所の取り扱う少額訴訟事件で多いのは、昔も今もサラ金絡みの案件です。

先日の傍聴事件でも、原告側には「○イフル」とか「○コム」、更には「××債権回収」とかのサービーサー数社がずらり…。

これが「世間の現実か…」と、あらためて感じる機会となりました。

 

 

 

 



コメント

※コメントは承認制となっております。承認されるまで表示されませんのでご了承ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です