事業再生の現場から

TPP交渉の行方

マレーシアで行なわれていたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)第18回交渉が閉幕しました。

昨年暮れの総選挙でも争点となったTPP加盟問題。

いちおう「交渉に参加して主張すべきは主張、そのうえで加盟の是非を検討する」立場で初めて交渉に参加した日本。

天然資源の少ない我が国は、貿易収支や海外投資等のリターンで国民を養って行くしかない、というのは万人の共通認識かと思います。

ただ「規制」や「慣習」で守れている業種・業界にどっぷりと浸かっている関係者にしてみれば「おいおい、今がうまく行ってるのにどうしてアメリカの言う事を聞かなきゃいけないんだ? 今まで通りで良いじゃん、ここは日本だぜ…」という気持ちにもなるでしょうし、医療関係団体や農業団体はTPP参加阻止、或いは少なくても既得権益死守に必死の抵抗を見せそうな気配が伝わって来ます。

総論賛成・各論反対の構図ですね。

TPP加盟を(明治維新に続く)第二の開国、或いは敗戦後の動乱期を含め、第三の夜明けと評するマスコミもありますが、例えば明治維新があと30年くらい遅れていたらどうなっていたのでしょう?

1868年「五箇条の御誓文」によって文明開化への道をたどり始めた近代日本ですが、近代化の遅れた中国(当時は清王朝)や朝鮮(李王朝)は、帝国主義の蔓延する列強(近代化なった日本を含む)の餌食となり、収奪の限りを尽くされました。

政治改革の遅れと国際舞台への登場遅延が、その根本的要因だったと思います。

さて今回もTPP交渉を見ていると、総体交渉もあり各国間の個別交渉もあり(当然国家間の駆け引きもあるでしょう)、相当なパワーを要している様子がありありです。

交渉窓口の後方に控える私達日本国民が、時代の趨勢も読めずTPP参加(交渉)反対~!なんてやっていると、かつて列強に喰い物にされた他国の悲哀を子孫に味わわせる結果になりはしないかと、そんな風に考えてしまいます。

ガラパゴス化で懲りるのは、既に味わっているのですから…。



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