事業再生の現場から

思い出した事

たぶん日本中で知らない人はいないんじゃないか?、くらい馴染みのある「サッポロ一番」シリーズで有名な即席めんメーカー、サンヨー食品の井田会長が亡くなったと今朝の日経新聞が報じています。

サンヨー食品の登記上の本社は東京にあるそうですが、実質的な本社機能は“創業の地”である群馬県前橋市に置いてあると聞いています。

サンヨー食品と聞いて、思い出した事があります。

20数年前に銀行にお世話になっていた時に当時の先輩方から聞いた話ですが、元々足利銀行と創業当時のサンヨー食品とは取引関係があったようですが、融資を巡ってのイザコザが起きて取引が解消、以降サンヨー食品との取引再開はどんだけアタックしても実現できないのだと。

当時からサンヨー食品は上場こそしていないものの、CMやブランド力から言って地場の最優良企業と目されていました。

憶測でモノを言ってはいけないのですが、たぶん当時(昭和40年前後)の経済環境や社会情勢から推し、サンヨー食品の資金繰りが逼迫する中で当時の銀行が顧客ニーズに応える事なく「突き放してしまった」のでは無いでしょうか…。

借り手側の立場からすれば「必要な時に支援してくれない銀行との取引なんて金輪際お断り!」って事でしょうし、「今に見ていろよ!」って気持ちになるのも分かります。

今現在両社に取引関係があるのかどうか私は知りませんが、20数年前は「実(まこと)しやかに」一部の先輩はそんな事情を語っていました。

高度成長期と言われた昭和40年代後半になるまで、銀行は「床の間を背にして」営業できたようですし、企業側も積極的な設備投資をしてモノを生産すれば売上がどんどん上がる時代でしたから、産業界に対する金融機関の立場は相当強かったのだと思います。

このサンヨー食品のような類似話は、銀行業界では山のようにあって「どうして地元の優良企業である○○産業がうちの取引先じゃないんですか?」みたいな話は、それこそ“掃いて捨てる程”あると思います。

辛酸をなめた事業者は、それに加担した銀行を「出入り禁止」にして取引を一切排除する…。

窮鼠は猫を噛みます。

銀行も取引先を選択できますが、事業者も数多くの金融機関の中から自らの取引銀行を選択できるのです。

事業者側にも、銀行の特性やカラー等考えた上での取引をお薦めいたします。

それでは、また。



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