事業再生の現場から

水瓶の水

久し振りに仕事であった事を書きたいと思います。

知り合いの税理士A先生から紹介を受け、今月からコンサルとして入る事になったB社は、都内に自社ビルを所有する老舗且つ近江商人の血を引く大店で、昨年「事業承継」と言いますか、社長交代を済ませた中小企業です。

戦後、資金調達能力の低い中小・零細企業にとって、B社のような「商社機能」はとても有り難い存在でしたが、近年ではB社の優位性は薄れつつあり、損益的にはなかなか厳しい状況が続いています。

これは一B社だけの問題に非ず、業界全体に言える事ですが。

 

そんなB社ですので、累積赤字が借入金に化けていて、自己資本や稼ぎ出す力である営業キャッシュフローが水面下にある状況です。

メイン銀行からは「リスケしましょうか?」との提案が出ているそうですが、(金融円滑化法が施行されそれが幕引きとなった)現在に至るまで借入金の条件変更を願い出た事は無く、毎月200万円を超える弁済を続けて来ています。

税理士のA先生は「これは銀行の言う通りリスケして貰った方が良い」との見解で、私をB社に紹介して頂いたのですが、私はそうは思いません。

近い将来、リスケをお願いするにしても、現在の手許資金量の状態でリスケをお願いすると、いずれ資金繰りが回らなくなる可能性が高いからです。

私はよく「水瓶の水」に例えてこんな話をします。

「水瓶の水が8割くらいの水準でリスケを依頼したなら、当面水不足を心配する事は無いでしょうが、水瓶の水が2割くらいの時にリスケを依頼して水道の蛇口を自ら止めてしまったら、残った水は自然と蒸発してしまいます。幾ら下の蛇口(水の出口)を絞っても、水の手を切られたらお終いですよ」と。

今回もまさにこのパターンです。

毎月200万円の約弁で年間弁済額は2,400万円になりますが、メイン銀行はこの1年、B社に対して「借換資金」的な「真水」を入れてくれていないのです。

そんな状況で良くも「リスケしましょうか?」と言えたモノなのですが、メイン行は、自社ビルにたっぷり根抵当権を設定している外、信用保証協会も目一杯活用して保全はバッチリですから、業績回復の目途が(今の処)立たないB社が「廃業」を選択しても仕方ない、くらいに思っているのかも知れません。

あっ、字数が多すぎますね、明日に続けます。

 

 



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