事業再生の現場から

再編必至の銀行業界

週明けの日経新聞に、2014年9月期における国内銀行の「総資金利ザヤ」ランキングが掲載されました。

柔軟なアイディアと斬新な事業スタイルで快進撃を続けるスルガ銀行が、総資金利ザヤでも1.30%というダントツの数値を残し、全国100以上ある銀行の中、№1の実績を挙げました。

続く第二位は、メガバンクの中でも「中小企業向貸出」に積極的に取り組む三井住友銀行で、総資金利ザヤは0.61%です。

SMBCは、資金運用利回りこそ1.43%ですが、メガのメリットを生かした資金調達原価が0.82%、これが利ザヤ確保にモノを言っているようです。

因みに他のメガバンクを見ると、みずほ銀行が運用利回り0.69%(利ザヤは▲0.06%)、三菱東京UFJは同0.65%(利ザヤ▲0.07%)と、いずれも「逆ザヤ」です。

日銀による金融緩和を受け、国内銀行の総資金利ザヤは、縮小気味だそうです。

海外案件や海外子会社等を使っての「投資銀行」業務ができるメガバンクは、今後も成長可能性が残りますが、国内業務一辺倒の金融機関に関しては、規模の大小を問わず、その成長に疑問符が着きそうです。

監督官庁である金融庁からは、「業界再編へGO」のサインが出されているようですし、実際にこの半年は、複数の銀行に渡る経営統合や業務提携話が頻出しています。

「対岸の火事」を見るような発言で恐縮ですが、利用者(預金者、債務者)は、経営基盤のしっかりした金融機関と付き合わないと、面倒な目に遭うことも考えられます。(自戒を込めて…)

地域の盟主、封建時代の領主然とした経営者は、時代の波に取り残されて行くことでしょう。

自分の取引銀行がそうならないで欲しい、と思っているのは、私だけではないと思うのですが…。



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