事業再生の現場から

新たな債権者の登場…

一昨日の事だったが、数年前、廃業する場面でお手伝いをさせて頂いた某社長さんから、突然だったが電話を頂戴した。

社長(元社長)さんが経営していた会社の売上は、絶頂期の10分の1以下になり、従業員も高齢化が進んで、話を聞いた当初から「廃業」前提での案件だったが、どうしても「自宅だけは残したい」と、結果親族の支援もあって、従業員整理・廃業・自宅確保まで行き着いた事案だった。

ただ、金融債務(住宅金融公庫・住宅ローン保証会社・信用保証協会)だけが「完済」できず、廃業し無職となり、細々とアルバイト収入と年金で暮らす元社長夫妻は、息子さんに買い戻して貰った自宅で、静かに暮らしているのだ。

その元社長からの電話が要領を得ないので、取り敢えず時間の空きを見計らって、昨日元社長の自宅に寄って、事情を伺ってきた。

話を整理すると、住宅ローン保証会社から債権がサービサー(債権回収専門会社)に譲渡(譲受人・T債権回収)された後、その債権が、更に半年前、T社からP社に再譲渡されたのだと言う。

T社時代は緩かった「督促」が、P社に代わって「激変」したのだと言う。

具体的な変化は、T社は(4年間)電話での督促のみだったのに対して、P社は既に(半年で)3度も来宅したのだそうだ。

しかも私に電話をくれる前日夜、とうとう担当者に自宅へ踏み込まれ、以下のような「要望」をされたのだとか…。

1.P社が引き継いだ数百万円の残債務を弁済する気はあるのか

2.このままでは、元社長の息子(自宅保有者)や兄弟に請求せざるを得ないこと

3.亡父の財産を調べているが、相続代位登記を行い、強制執行により回収を進めること

「わざわざ名古屋から来たって言ってました」

強硬な申出に、慌てた元社長が私のところに連絡して来たのでした。

 

「それで、その担当者はP債権回収の何という方なんですか? 名刺は貰いました?」元社長さんにお尋ねします。

「あっ、そう言えば名刺貰って無かったな」

「なんか先方の言ってることは滅茶苦茶ですね。そもそもローン保証会社から譲渡された債権を持っているなら、過去の経緯を知らない筈がないんです。ご自宅は、4年前に住公・ローン保証会社の同意を得て担保を外し、息子さんに買って貰ったのですよ。社長や旧会社の保証人になっていない息子さんが、P社から請求を受ける謂れなんて全くないんですからね」

「そうなんですか、私慌てちゃって」社長が続けます

少し長くなっちゃいそうです。

続きは次回に…



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