事業再生の現場から

地銀は生き残れるか?⑤

なんと、昨年11月10日以来のタイトル!!

一昨日、足利銀行と隣県・茨城県を地盤とする地銀・常陽銀行との経営統合の話が新聞・TVを賑わせました。

営業エリアが隣接する地銀同士の経営統合は、今年10月に統合を果たした肥後銀行と鹿児島銀行以来で、足利銀行は国有化騒ぎがあったものの、かつては地銀上位行に列せられていた経緯もあり、常陽・足利両行の経営統合話の金融業界に対するインパクトは、相当大きな衝撃となって伝わっていると思われます。

経営統合と言っても、企業文化があまりにも違う(私の感覚で申し訳ありませんが)ため、いきなり「吸収合併」などの遣り方をするとは思えませんが、いずれは「合理化」「効率化」を目指して、そのような形を取らざるを得ないのではないかと思います。

親会社が一緒だからと言って、営業エリアが重複する両行の支店同士が、取引先への営業自体を遠慮し合うというのは、民間企業ではなかなかあり得ないことです。

 

足銀が常陽と経営統合なんて、ビックリ!?です。

私は、東日本銀行を傘下に収めた横浜銀行に取り込まれるものだとばかり思っていました。

でも戦前では、足利・常陽ともに「川崎金融財閥」の一員でした。

ともに三菱系のカード会社を傘下に持ち、同グループに親和性を持っています。

ここに同じ川崎財閥系の流れを汲む千葉銀行が入って来るようだと、「首都圏銀行」が現実視されるのですが…。足利・常陽に仮に群馬銀行が合流しても「北関東銀行」にしかなりません。世間や業界に与えるインパクトは限られると思います。

 

しかし、これで千葉銀行や群馬銀行、武蔵野銀行、八十二・山梨中央銀行や静岡銀行なども、様々な「合従連衡」を考えざるを得なくなったと思います。

それくらい足利・常陽の統合話は、地銀業界に大きなインパクトを与えた筈です。

喜んでいるのは「金融庁」のお役人さまでしょうか…。

 

 

 

 



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