事業再生の現場から

かぼちゃの馬車…経営破綻の余燼②

昨日に続き…

かぼちゃの馬車のその後にそれほど関心がある訳ではないのですが…

朝日デジタルによると…

 

かぼちゃの馬車オーナーに対する過剰(?)融資が問題視されているスルガ銀行へ調査に入った金融庁関係者から、今度は同行の「一棟建てアパート・マンション」に対する融資の杜撰な実態が指摘されている、と報道されました。

問題の手口は、銀行がアパートローンなどの融資案件を審査する際に、借入申込人の属性情報の一部として確認したい「手許保有資金」、つまり預金残高を「改ざん」した例が幾つか見られたというものです。

借入申込人の預金残高が多い方が、融資審査上は「有利」に働きますから、当然この「改ざん」は預金残高を実際より「多く」見せかけようとしていたのです。

 

朝日デジタルの記事からは、この預金残高を「改ざん」して通った融資案件が、実際に返済に窮して「不良債権化」したものかどうかは分かりません。

高い入居率を維持して順調に返済が続いているのかも知れませんし、融資審査時のアテが外れ家賃収入が計画を下回り、返済が滞っているのかも知れません。

ただ、この時期に「融資審査時の預金残高が改ざんされた事例が…」と金融庁が掴んだということは、前項後半のような状態になっているのかも知れません、私の想像ですが。

報道では、この預金残高の「改ざん」を誰が主導して行われたのか、そこまでは書かれていません。

投資用アパートローンは1億円~2億円で、物件は全国に点在しているそうですが、不動産投資を薦める販売会社とスルガ銀行が協力して、投資物件買取の際に(提携)ローン付をしていたのかも知れません。

適用金利も案件が「不動産投資」ですから、通常の事業会社に対する金利より相当高くて年利3~4%水準で実行されていたようです。

 

スルガ銀行は、昨年ブルーグバーグ発表の銀行年収ランキングで一人当たりの年収が810万円余と地銀業界第一位、メガバンクの一人当たり年収を抑え、昨年時点では「日本で一番高い給料を出す銀行」だとされています。

その収益力の背景には、独自アイディアの商品開発力や営業の推進力があります。

かぼちゃの馬車問題の勃発で、同行のビジネスモデルに懐疑的な見方も出て来ました(今後無理無理で通してきた融資案件が不良債権化して行くリスクもバカにできない)が、昨日も言いましたように、同行には好調な業績の時に獲得した有為な人材が多数いる筈です。

一時的な業績の踊り場も抜けて、必ず復活する日が来ると思います。



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