事業再生の現場から

地銀は生き残れるか⑲

地銀の収益力が一層減退し、業界として危機を迎えていることを示すニュースが、また報道されています。

先週読売新聞が報道した記事がそれで、なんと、全国地銀のおよそ4割にあたる40行が「3年連続で」本業赤字を計上していると言うのです。

「かぼちゃの馬車」関連融資で世間を騒がせたスルガ銀行や、取引先に対する融資金の「歩積み」拘束や高額手数料設定が問題視されている東日本銀行など、地銀に対する世間の視線はキビシイものがあります。

その背景にあるものは「収益力の強化」の一環としての「不動産関連融資」であり、不当な融資金の拘束であり手数料なのだと思います。

低金利政策が続く中、取引先への融資で得る伝統的な「預貸金利ザヤ」は、年々減少しています。

顧客の資金需要や利ザヤ縮小が続く中、旺盛且つ比較的金利にうるさくない(金利を上回る収益=バカバカしいくらいの儲けが期待できるからなのですが)不動産関連融資に活路を見出そうとするのは、スルガ銀行に限った事ではなく、銀行経営者ならば誰もが1度は考える「収益増強策」であろうと思います。

 

最近では、「銀行員はこれからどうなるのか?」とか「地銀は生き残れるのか?」という視点で書かれた書籍が売れているようです。(最近新書で数冊みかけました)

今後は地銀同士の「水平統合」から、都内の信金を巻き込んだ「垂直統合」に、生き残りの可能性を賭ける地銀が出そうだ、と解説する識者もいるようです。

「地方→都会」へという人口流出が是正されない限り、全国にこんなにたくさんの銀行(地銀106行)は必要なくなるでしょうし、都内に数十か店の営業拠点と顧客網を抱える信用金庫に熱い視線が集まるのも頷けます。

 

相変わらず銀行業界では、30代前半までの「若手」と言われる社員の退職が続いているそうです。

地銀は生き残れるのか!? もう少し様子を見る必要がありそうです。

 

 



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