事業再生の現場から

社保倒産のリアル…

今日は毎月1回開催の社内ミーティングの日でした。

普段は事務所に居る時間もバラバラな我々ですが、月に1度は顔を会わせ、取引先に起きた事象や問題・課題を話し合い、時には情報交換も行うようにしています。

今月話題になったのは「社保倒産」です。

昨今ネット記事でも良く目にしますが、各事務所・各担当者によってバラバラだった印象の年金事務所の回収方針が、ひとつの方向に纏まって来た感があります。

コロナ禍で認めて来た「換価猶予」を例外なく認めなくなり、既に換価猶予を受ける事になっていた決定を「取消」してまで覆し、常に滞納者と当局の間に「緊張感」を醸し出しているようだ、との報告が相次ぎます。

仮に滞納者が取引先に売掛金等の債権を持っている場合、年金事務所との関係に亀裂が入ると、いつでも「売掛金差押」を喰らってしまうリスクが顕在化する可能性があるので、滞納者側とすれば「最優先」での納付を考えざるを得ません。

 

実際に取引先の社長に随行して年金事務所で担当者とコロナ禍中の滞納保険料について分割納付の相談をすると「約束を履行できない時は売掛金を差押する事になります」等「差押」というキーワードがポンポン口に出て来ます。

こちらは「滞納している身」、社長と共に隠忍自重…忍の一文字

 

社内ミーティングの話に戻すと「1月末に年金事務所から直接取引先の預金口座に差押が入り、取引先へ支払予定だった380万円が強制回収された。資金繰りに詰まり、廃業へ行きそう…」との報告も。

別の取引先でも年金事務所から「警告」に近い通知を受領している事や差押前提の「照会」が取引先に送られて来たりとの情報が相次ぎました…。

政府は厚生年金保険料や健康保険料等社保料の未納問題を早期に決着をつけたがっている、という意思が明らかに見え隠れしています。

ゾンビ企業は市場から撤退せい!!

こう言われている気がしてなりません(>_<)

私の印象では、まだ消費税等国税の換価猶予分を如何に解決して行くか、相談を受けてくれる税務担当者の方が、社保料滞納分の回収に躍起になっている感のある年金事務所担当者より、現実的且つ柔軟性のある対応をして貰っているように思えます…。

元々は社保料を滞納している当事者が悪いのは間違いないのですが、もう少し当局側の対応に柔軟な姿勢があっても良いと思うのです。

「社保倒産」と言われる事象が急増しています。

技術や雇用維持、社会的に存在意義のあるであろう中小企業に、もう少し機会(時間)を与えてくれる制度を導入して貰えないか、そんなことを思った会議でした。

 

 



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