事業再生の現場から

リスケしたら新規融資は全くあり得ないのか?

お早うございます。

久し振りの投稿ですが、いきなり「直球質問」です。

最近、取引先の士業の先生に紹介していただいた製造業の社長さんから頂戴した質問です。

「うちは銀行融資を数年前からリスケして貰っている関係で、新規融資を相談しても何処の銀行もいつ行ってもNOと言われている。リスケしたら新規融資は全くあり得ないのですか?」

「一般的にはそう言われていますよね、確かにそういうケースが多いです」と月並みにお応えすべきところですが、「YESかNOか」と聞かれれば「NO」ですよ」と私。

実際にリスケ先であっても

①使用目的が融資先にとって必要不可欠な設備投資或いは資金使途であって、妥当性が高いモノ

②当該融資については保全(担保・保証等)が図れており、万々が一にも回収に懸念無いモノ

などの理由があって、実際にリスケ先であっても新規融資支援があり、事業継続されている中小企業を見ているからです。

ただ、上記のようなケースは確かに「レアケース」であり、一般の経営者が実例として見る事は無いでしょうし、金融機関の担当者も上記のような案件の起案には「通常以上のパワーを必要とする」ため尻込みしている、と云うのが実情なので、あまり俎上に乗る事が無いのだと思います。

 

前述の社長さんからは「メイン行に幾ら働き掛けても、必要な資金であると説明しても、リスケを理由に新規融資には首を縦に振らない、それなら担保過剰だと根抵当権の抹消を交渉してみてもそちらも全然相手にもしてくれない…」と嘆き節が…

いただいた資料を整理すると、確かにこの社長さんの会社の借入金は300百万円ちょいですが、担保に差し入れている工場・事務所の評価だけで優に800百万円を超える資産価値がありそうです。

帳簿上(決算書)は債務超過ですが、自社所有不動産の含み益を考慮すれば債務超過は解消されるどころか、400百万円以上の資産超となります。

メイン行には、頑なに「リスケ先だからもう新規融資は出しません!」では無くて、取引先の実態を静視して事業の先行きを測り、許される範囲内での金融支援を再検討しても良いのではないか?、と思わざるを得ない対応と感じます。

さて、問題解決にどう取り組んでいきますか?

いちおう私なりの腹案はありますが…

 



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