事業再生の現場から

JV悲話①

JV(ジョイント・ベンチャー)とは、共同企業体を示します。

主に大型の公共事業等を複数の土木・建設業者が共同で受注し、工事完成まで共同責任を持って施工する組織の事を呼ぶことが多いと思います。

金融関係の人なら、融資申込の際に提出を求める「手持工事受注(一覧)表」的な資料で目にする事もあるでしょうし、工事現場には、工事現場名や工期等を表示する看板に発注者や受注者の名前が明記されていますので、「○○建設・××土木・△△道路共同事業体」等の表示を目にされる方も多いのではないでしょうか?

田舎のJVで多いのは、やはり大型の公共事業案件です。

どういうことかと言いますと、田舎ではゼネコン(総合建設業)と言っても、年間売上が100億円規模の建設業者は、ごくごく少数です。

しかも土建屋さんと呼ばれる規模の土木・建設業者では、工事実績や技術水準、人材や資材調達能力等、やはり東京や大阪等に本社を置くスーパーゼネコン(清水建設、鹿島建設、大成建設等)や、もう少し事業規模の小さい(とは言ってもどこも大企業です)ゼネコンさんに、正直なところ“逆立ちしたって”敵(かな)いっこありません。

それでも、事業によっては国、都道府県、市町村から数十億円規模の仕事が出される時があります。

そんな時発注者(公共事業体等)と受注者(ゼネコン・地場の建設業者)の利害関係をうまく纏めるために使われるのが、このJV方式です。

発注側は「雇用・納税(一部では為政者選挙も?)等に貢献する地場(建設)業者を優遇したいが、実績・技術・資金的に地元業者では請け負えない規模の事業だ。でも…、せっかく予算が着いたのだから、一気加勢に事業化してしまいたいなぁ、困った事だ…。」

ゼネコン側は「美味しい公共事業だから独り占めしたいところだが、地元対策(住民懐柔や人工確保等)もあるし、地元事情に精通した協力者が欲しいところだな…。」

地元土建屋さんは「せっかく俺っちの鼻先で工事があるのに、地元企業に恩恵が無いなんて…。本体工事は無理でも、付帯する道路の舗装工事や簡単な土木工事ならうちでもできるのに…。」

しかして、発注側は地元土建屋さん対策として「ゼネコン(全国規模)とのJV」を前提に“指名業者”を選び、入札を実施する事になるのです。

あーっ、此処まで時間が掛かり過ぎました。

どーも私の文は、本題に入る前段が長すぎますね、反省!!

続きは、明日書きますね。

 

 



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