事業再生の現場から

鴻海に翻弄されるシャープ

三連休中の不安定な天気と打って変わり、今日は一日穏やかな晴天が続きました。東京の桜も昨日の開花宣言に続いて、次々とピンク色の可憐な花を咲かせ始めています。

今日は都内の出張から戻ってブログを書いているのですが、九段下の武道館周辺で袴姿の女子大生?を多く見かけました。晴れの卒業式なんでしょうね!(^^)! 何処の学校かは分かりませんでしたが、昔は入学式に桜は見ても卒業式に桜が間に合うことは無かったと思います。それだけ温暖化が進んでいると言うことでしょうか…

 

事務所に戻ってPC立ち上げたら、表題がニュースで報じられていました。

シャープ買収に手を挙げ、「今度という今度は…」と思われていた(る)台湾・鴻海精密工業からの出資額が、当初提示価格(約4,900億円とか)より2,000億円も減額されるのでは?という報道です。

同社の再生を巡っては、外資系の鴻海がスポンサーになる計画と経産省が推す産業革新機構中心のスキームがシャープ側に呈示され、出資額がより多額だった鴻海に軍配が上がった経緯があります。

 

鴻海側が、シャープの偶発債務(将来発生する懸念のある簿外債務等)について、再査定を求めた辺りから交渉の雲行きが怪しくなって来た感があります。

偶発債務の顕在化に備えて投資リスクを極小化するため、取引金融団への金融支援増額を求めたりしているとも書いてありますが、鴻海の姿勢に「ホントにシャープを再生する気はあるのかいな?」的な反応も出ているようです。

数年前にも出資を伴う業務提携を試行しようとする機会があった鴻海とシャープでしたが、その時はシャープ株式の急落を受けて、やはり鴻海側がシャープの予定していた増資を蹴った経緯があったからです。

先日のキャノンによる東芝メディカル買収案件が、円滑に進んだ印象が強いので、余計シャープの再生劇がうまく進んでいないように見えるのかも知れません。

 

いずれにしても「弱い立場」に立たされているのは、シャープです。

関係者の怨嗟の声が聞こえてきそうです。



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