事業再生の現場から

M&A案件に発展するか!?②

先週の続き…

元取引先で、今は他業種に転業した社長さんから連絡を受け、都内某所で「ランチミーティング」をして来ました。

お互いに次のアポイントが差し迫っていた事もあり、先方が持参した決算書や登記簿謄本などの「経営情報」をその場で拡げる事はせず、後日お返しすると言う事で、まるまる分厚い資料をお預かりする事となりました。

週末に決算書(三期分)をじっくり見せて頂きましたが、単年度収益はかなり出ているものの、問題となるのは「過去債務」の大きさです。

これは事前にメールで聞いていましたが、産業廃棄物処理業が「装置産業」型事業であるとは言え、年商の4倍を超える借入金、しかも一部は信用保証協会に代位弁済された「求償債務」であろう事を見ると、とても「資本参加」をお薦めする事はできません。

同業種の場合、行政庁の「許認可」が大きな資産価値を持っているとしても、実質破綻状態(=保証協会代弁先を金融業界はこのように評価します)では、必要な(更新)設備投資もできず、「ジリ貧」が続くと思われます。

だからこそ、今回のように「資本参加を是非…」のような話が、巷に出回る事になるのでしょう。

魅力ある「産廃処理業」許可免許ですが、事業の譲渡と共に、第三者に転売することはできません。

 

資料をお預けいただいた旧知の社長さんには、率直に私の感想をお伝えしました。

「私だったらお薦めできません…」と。

淡い期待を抱いた「M&A案件」への発展とは行きませんでしたが、こんな事はしょっちゅうです。

さてとっ、次の案件に行きましょう!!

 



コメント

※コメントは承認制となっております。承認されるまで表示されませんのでご了承ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です