事業再生の現場から

栄枯盛衰…元気だったあの会社の倒産速報

お早うございます。

「栄枯盛衰」…読んで字のごとく、人生「栄える」時もあれば「衰える」時もあるという、世の常を現した言葉です。

企業についても、同じ事が言えると思います。

と言うのも、この「栄枯盛衰」という言葉を思い出したのは、TDBレポートの企業倒産記事を読んだ時でした。

8/29版に掲載された、茨城県内で仕出弁当業を営むY社の「事業停止・破産準備」記事を目にしたのです。

 

私は元の職場・足利銀行が山一証券や北海道拓殖差銀行などが「経営破綻」し、日本中が不良債権問題で揺れているH10年(11月には足利銀行でも預金の取付騒ぎが起きましたが)当時、不良債権の回収担当者として茨城県古河市内の支店に勤務していました。

当時の足銀では「不良債権回収・処理」が最重要課題と言っても良いくらいの経営問題とされており、その分野へは「ヒト・モノ・カネ」を大きく投入、長銀や拓銀と言った大手の轍を踏むことなく、「短期間」で不良債権問題に道筋を着ければ、安定した顧客基盤を持つ地方銀行大手として生き残って行ける道を模索中だったのだと思います。

まぁとにかく古河地区を中心に「不良債権化した貸出債権」の回収に、私は従事していたのでした。

 

不良債権回収の方法として、債務者(融資先)から差し入れて貰った不動産担保物件の売却→回収という遣り方があります。

いわゆる「任意売買」による回収という方法です。(任意売買の前提が整わないと「競売」に移行する事も間々あります)

担保の状態(場所・相場・形状等)が良ければ回収額も大きくなるので、担当者としては「買い手の発掘」に力が入ります。

実は今回TDBレポートで「経営破綻」が指摘されたY社は、私には馴染みのある会社で、当時、担保処分を検討していた物件を数件、「任意売買」方式で購入していただいた「恩義」のある会社なのでした。

社長が一棟建マンションやアパート取得に積極的な方で、当方としても処分して「現金化=融資金回収」したい物件を幾度も提案し、まあまあ満足できる金額でお買い上げ下さっていたのです。

社長さんの話では、900個室(当時)くらい所有していると豪語されていましたが…。

今回「自己破産」の準備に入ったとの記事ですので、同社や別法人・個人で所有の不動産物件も処分されるのでしょう(或いはこの20年の間に処分して来たか…)。

 

いずれにしても「大恩」ある企業さんの破綻に心が痛みます。

あれだけの勢いのあった会社が20年で傾くなんて…

栄枯盛衰…まさに読んで字のごとく 自戒しなければ…

 



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